【ゴルフ】稲見萌寧が今季最終戦で挑む大記録 日本選手初の平均ストローク60台

 コロナ禍の影響で統合され、計52試合となった国内女子ゴルフの2020-21年シーズンはいよいよ最終戦を迎えた。JLPGAツアー選手権リコー杯が25日、開幕する。賞金ランキング1位の稲見萌寧(22)=都築電気=にとっては、自身初の賞金女王以外にもさまざまな記録が懸かった一戦となる。

 03年の不動裕理以来2人目となるシーズン10勝、07年上田桃子の21歳156日に次ぐ史上2番目となる年少賞金女王などだが、19年申ジエ以来、日本ツアー2人目で日本選手では初となる平均ストローク60台にも挑む。

 2年前の申ジエは出場27試合、86ラウンドで69・9399を達成。前週までの稲見は統合シーズンのため44試合、131・5ラウンドで69・9922となっている。試合数が極端に違うため、勝利数など今季の記録は他のシーズンとの単純比較は難しい。しかし、平均ストロークに関しては試合数が多い今季の方が圧倒的に価値が高い。

 最終戦のツアー選手権リコー杯は予選落ちがない。稲見が60台を維持するには4日間で通算7アンダー以上が条件となる。会場の宮崎CCは強い風と芝目がきつい高麗グリーンが特徴の難コースだ。稲見は3年連続3度目の出場で19年が通算9オーバーで30位、20年はイーブンパーの15位と上位進出は果たせていない。

 今年の練習ラウンド、プロアマ戦を終えても「毎年出させていただいて、すごく難しいという印象しかない。難関コースというイメージのままです」と前向きな言葉は出てこなかった。

 腰痛を抱えながらも2週前の伊藤園レディースに優勝し、ついに平均ストローク70を切った。「69・9となって自分でも『おーっ』となった。このまま落ちないでキープするのもありかなと思ったけど、さすがにこのコースでは厳しい」というのが稲見本人の認識だ。

 日本選手初の大記録の可能性に「先週まではずっと69台を出したいと思っていた。今週のコースはパープレー、アンダーを出すのがいっぱいいっぱいでキープするのは厳しい、しようがないというのはあります。今週始まるまで69をキープできたらからいいかな」と既にある種の満足感を得ている。

 「もちろん結果的には出したいは出したいですけど」と言うものの、相変わらず痛み止めが手放せないぐらい腰の状態は回復していないことからも、なかなか前向きな言葉は出てこなかった。

 それでも、JLPGAの小林浩美会長は「いけると思います。ショットの精度と、戦っている時の気持ちのブレのなさをすごく感じる。腰の状態は心配ですけど、いけると思います」と大記録達成に期待を寄せる。

 異例の長丁場となった統合シーズン最終戦、賞金女王争いは稲見が単独2位以上なら古江の順位に関係なく逃げ切りが決定する。同時に通算7アンダー以上で平均ストローク60台をキープできるか、稲見の日々のスコアにも注目だ。(デイリースポーツ・斉藤章平)

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