【野球】“完全男”阪神3位指名の新潟医療福祉大・桐敷がプロを意識したきっかけとは

完全試合を達成した新潟医療福祉大・桐敷(撮影・伊藤笙子)
健闘を誓う桐敷拓馬=新潟市のホテルイタリア軒(撮影・佐藤厚)
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 虎党が胸を躍らせる快投だった。阪神からドラフト3位指名を受けた最速150キロ左腕・桐敷拓馬投手(新潟医療福祉大)が、16日の関甲新学生野球秋季リーグ戦の平成国際大戦でリーグ史上初の完全試合を達成。自身の持っていたリーグ記録を更新する1試合19奪三振と圧倒的な投球を披露した。

 11日のドラフト会議後、初の公式戦登板で「(大学では)一番に近いピッチングはできたのかな」と“指名御礼”としてはこれ以上ないパフォーマンスだった。全国的な実績が乏しい中、もともとNPBスカウト陣からは高評価の声が多数。ただ、地方リーグ所属がゆえ、露出の少なさから一般的には知る人ぞ知る存在だった感もある。

 偉業を成し遂げたことで一躍その名をとどろかせた左腕だが、NPBを意識し始めたのも記録を打ち立てたことがきっかけだった。2年秋の平成国際大戦で、当時のリーグタイ記録となる1試合18奪三振。「社会人だったり、プロだったり、上のレベルでやってみたい」。自信をつけたことで自然と芽生えた感情だ。

 大学入学からしばらくは「ただ楽しくやっていただけだった」と振り返る。本庄東時代も3年夏の埼玉大会5回戦進出が最高成績。直球の最速も140キロが出るか出ないかの投手だった。「(大学)2年生の春、自分の中でリーグ戦がふがいない結果になってしまったので。このままじゃダメだなと思って」

 自主練習でウエートトレーニングやジャンプトレーニングに取り組み、真っすぐのスピードは10キロ以上アップした。「8割ぐらいとかで投げた力感でもけっこういくようになって」と、数字とともに質の向上も実感。制球力と変化球の精度も増し、夢の舞台へ道が開けた。

 大学生活で進路が一変し、ドラフト指名を勝ち取った。プロでの理想像は「チームに必要な存在になるために勝てるピッチャー」と言い切る。甲子園でファンを酔わせるような桐敷の快投が、早くも待ち遠しい。(デイリースポーツ・佐藤敬久)

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