【野球】夏の甲子園 白スパイクが48校中41校と驚異的普及 酷暑対策に効果発揮か

 コロナ禍で中止となった昨夏から、2年ぶりの開催となった夏の甲子園。球児の足元に注目すると、あるトレンドが浮かび上がってきた。部員の新型コロナウイルス感染によって出場辞退となった宮崎商をのぞき、全48校中41校が白スパイクを履いてプレー。黒スパイクはわずかに7校にとどまった。

 日本高野連のルール改正で20年シーズンからホワイトカラーのスパイク使用が解禁。宮崎商も今春センバツ出場時には白スパイクだったことから、実に9割近くが従来唯一認められていた“黒”よりも新たな“白”を選択したことになる。

 甲子園での“デビュー大会”だった昨夏の甲子園交流試合では、出場32校中14校と約半数が白スパイクを身につけて聖地に足を踏み入れた。出場校の違いなど一概には比較できないながら、わずか1年で驚異的な普及率だと言っても過言ではない。

 もちろん、メリットがあって選手たちに愛用されている。スポーツ用品大手・ミズノは気温32度の炎天下での黒スパイクと白スパイク温度差を検証。1分ごとに内部と表面の温度測定をすると、6時間でともに約10度も白の方が低いというデータが出た。

 長雨で例年よりも酷暑ではなかったこともある中、今大会は準々決勝まで消化された26日までに足がつるなどで交代したケースはほとんどなかった。夏の暑さの中、選手が最高のパフォーマンスを発揮するための一助となっていると感じる。

 同社の開発担当者が以前、「『白スパイクから離れられないわ』という声もいただいたりもします」と手応えをつかんでいた様子が思い出された。ただ、まだまだ改善の余地があるのではないか。23日に史上初めて甲子園で開催された全国高校女子野球選手権決勝。高知中央ナインのスパイクは白をベースに、チームカラーの赤が差し色として施されたアイテムを履いていた。

 ユニホームと統一感のある足元が聖地でより映えていた。男子に適用される2021年度版高校野球用具の使用制限では、スパイクの項目に「表面カラーはブラックまたはホワイト一色とする」とある。華美になっては本末転倒だが、各チームのユニホームに合ったデザインが許されることも期待したい。(デイリースポーツ・佐藤敬久)

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