【野球】エンゼルス大谷の二刀流大成功に思い出す清原の甲子園での投球
MLBで大ブレークしたエンゼルス・大谷翔平(27)より早く、あの怪物・清原和博(53)が、聖地・甲子園で二刀流を実現させていた。
2年ぶりに行われている「第103回全国高等学校野球選手権」が連日、熱戦を繰り広げている。中でも今秋のドラフト会議の目玉で、最速157キロを誇るノースアジア大明桜大・風間球打(3年)は期待に違わない投球をみせている。
甲子園での投球といえば、あの清原が甲子園のマウンドに立つ姿を2度、目の当たりにした。
若手記者時代、PL学園の桑田真澄(53)、東北高の佐々木主浩(53)ら後にプロ野球史に名前を残す投手を取材してきた。だが、インパクトという点では清原だろう。
85年夏の「第67回全国高等学校野球選手権大会」。8月14日のPL学園-東海大山形のことである。この試合はPL学園の打線が爆発。32安打の猛攻で29点を挙げ、29-7で大勝した。この試合は、甲子園で通算16勝目を挙げた桑田が先発だったが、清原が九回に4番手としてマウンドに上がった試合だった。
清原は「投球練習もしてなかったからびっくりしたよ」と振り返ったが、打者4人に対し計17球。1三振は奪ったものの2連続で押し出しの四球を与えてなんとか試合を締めくくった。
清原の投球にネット裏に陣取っていた各球団のスカウトたちが色めきたったのはいうまでもない。PL学園に入学後、桑田の投球を目の当たりにして野手に専念したが、岸和田リトル、シニア時代は投手としても活躍していたこともある。当時、出始めたスピードガンで球速を測定し「140キロを超えていた」というスカウトの話を覚えている。
清原が甲子園のマウンドに立ったのは、そのときが最初ではない。実はその年の春に行われた「第57回選抜高校野球」のPL学園-浜松商戦でも八回一死満塁の場面で3番手として登場。ファーストミットからグラブに持ち替えて打者5人を完璧に封じてみせた。しかも、九回一死からは「練習したことはないけど、手が大きいから投げられる」と振り返った魔球・ナックルで連続三振を奪う圧巻の投球だった。
また、打っては五回に選抜通算4本目、春夏通じて通算8本目となる本塁打を放ち、PL学園の選抜25勝目、春夏合わせ甲子園通算50勝目を挙げる立役者となった。まさに元祖・二刀流といえる大活躍だったのだ。
この日、甲子園に集まったファンは桑田&清原のKK人気で4万3000人。その大観衆が怪物ショーに酔いしれた。
36年前、清原の活躍で二刀流が話題となった。だが、今は大谷だ。大谷は世界最高峰の舞台・MLBで本塁打王争いのトップを走り、現地12日のブルージェイズ戦では今季7勝目も挙げ、異次元の存在となっている。だが、PL学園在籍当時、清原がみせた二刀流のインパクトも強烈だった。=敬称略=(デイリースポーツ・今野良彦)





