【野球】矢野監督絶賛の大山、選球眼向上を図った佐藤輝 後半戦の原動力となるか
公式戦中断期間中に行われたエキシビションマッチも終了し、いよいよ後半戦が13日からスタートする。前半戦首位ターンの阪神はエキシビションで6勝4敗1分けと勝ち越した。例年とは違った調整の難しさもある中、進化を求めて新たな取り組みを行った若き左右の和製大砲の姿が印象的だった。
まずは大山だ。前半戦終了後、矢野監督から「ツイスト打法」(打撃時に腰を残しながらバットを走らせるイメージの打ち方)を指導されて本格的に着手。これが奏功し、非公式試合では確率良く快打を積み重ねていく。
11試合に出場し、打率・361(36打数13安打)と高打率をマークした。シーズン中の7月の月間打率は・213と苦しんでいただけに、数字からも違いがはっきりと反映されている。3安打を放った8日・楽天戦では「追い込まれていた中でも、簡単に終わらずに打ち返すことができた」と現状の打撃に自信をのぞかせた。
矢野監督も「対応と仕方というか…たまたまポンって(安打が)出ている感じじゃない。中身のしっかり伴っているような打撃が多い」と主砲の変身に目を細める。シーズンでも同様、継続的に結果を残していけるかがカギとなるが、このまま好感覚を維持していければ、上昇曲線を描いていけそうだ。
そしてもう一人は佐藤輝だ。前半戦だけで20本塁打を放つなど怪力を発揮してきた怪物ルーキー。エキシビションマッチでは大山と同様、11試合の出場で打率は・243(37打数9安打)ながら、5本塁打、11打点はチームトップと中核としての役割を果たしてきた。
佐藤輝もこの期間では、全ての指をバットのグリップに付着させる握り方を試したり、課題の選球眼にテーマを置いて実戦に出場してきた。内角のボール球や外角の沈む球を平然と見切るようなシーンもあり、成長を感じさせる姿が見られた。
理想はマルテのような選球眼を養っていくことだという。マルテはリーグ2位の52四球で、甘い球に対してはフルスイングで仕留めにかかるのが印象的だ。佐藤輝も豪快なスイングが持ち味。打席の中で経験を積み、選球眼を養うことができれば、本人が求めている「確率良く打てる打者」に近づいていけるだろう。
13日・広島戦(京セラ)を皮切りに始まる後半戦。残り59試合で大山、佐藤輝がポイントゲッターとしての役割を全うできるかが、チームの戦いを左右するに違いない。エキシビションマッチで培った打席での経験を生かし、両スラッガーが16年ぶりリーグ優勝へ導く流れを作っていく。(デイリースポーツ・関谷文哉)



