【スポーツ】児童虐待をなくせ!女子プロレス団体・WAVEの挑戦

 女子プロレス戦士が、虐待から子どもたちを守る!女子プロレス団体「プロレスリングWAVE」の挑戦が始まっている。

 全国の児童相談所が児童虐待として対応した全体の件数は、年間20万件にも及ぶという。福岡県篠栗(ささぐり)町で、5歳男児を飢え死にさせたとして母親と知人女性が逮捕された事件は、記憶に新しい。

 今や虐待で死亡する子どもは1週間に1人ともいわれている。そんな不幸な出来事を根絶しようという運動がある。現在、NPO法人「児童虐待防止全国ネットワーク」(吉田恒雄理事長)が総合窓口となっている、オレンジリボン運動である。社長兼現役レスラーの桜花由美(41)を中心に、リングネーム、旧姓・広田さくら(42)らが暴れ回っている「プロレスリングWAVE」は、女子プロレス界では唯一、そのオレンジリボン運動に取り組んでいる団体だ。

 元々、運営スタッフの一人がこの運動に参加しており、共感した桜花ら選手も積極的に関わっていくようになった。桜花はいう。「昨年1月ぐらいから展開するようになりました。広田選手にはもうすぐ4歳になる(双子の)子どもたちがいるので、私たちとしても幼児虐待からは目を背けることはできない。だから、ウチもこの運動に積極的に参加しようと思ったんです」。

 子育てしながら戦う、“働くおかあさん”を支援する意味もある。桜花は「ジャガー横田さんのようにお子さんもいらっしゃって、活躍されている選手も何人かいます。これからの時代は、働くおかあさんが増えてくる。女子プロレスレスラーも、結婚して出産しても続けられる時代にならなくてはいけない。そういうこともPRしていきたいんです」と熱く語る。実際、旧姓・広田は会場に子どもたちを同伴し、試合中は選手、スタッフが交互に面倒をみているという。

 新型コロナウイルス感染症拡大の余波で興行数は減り、観客の人数制限が続いている。だが、選手たちは試合会場で子どもたちの明るい未来を表現する、オレンジ色のリボンをジャージーにつけ走り回っている。また、今後も会場の所々の募金箱をもうけ、チケット代の一部を寄付する運動を推し進めていく。

 厚生労働省は毎年11月を「児童虐待防止推進月間」に定め、家庭や学校、地域等の社会全般にわたり、児童虐待問題に対する深い関心と理解を得られるように、さまざまな取り組みを集中的に実施している。

 だが、民間の草の根的な運動こそが求められるものだろう。4月1日には、桜花の社長就任2周年興行PHACE2 Reboot 2nd「NAMI 1~Apr.~21」(19時開始・新宿FAC)が行われる。その日もオレンジリボンをつけたWAVE戦士たちは、児童虐待撲滅の役割の一端を担っていく。(デイリースポーツ・今野良彦)

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