【野球】阪神の将来を背負う佐藤輝と井上 北川コーチが願うのは「しっかり振ること」
阪神ドラフト1位・佐藤輝明内野手(21)=近大=と2年目の井上広大外野手(19)は将来の虎を嘱望されるスラッガーだ。資質の高さは抜群の両選手。宜野座の1軍キャンプでも飛距離の面では、他を圧倒するほどのパンチ力を見せている。
指導を行う北川博敏1軍打撃コーチ(48)はまず、佐藤輝については「飛距離も見ての通りあれだけ強打できるというのはね。広角に打てているのでスイングスピード、当たった時の角度、距離はやっぱり普通の選手じゃなくて、やっぱり持って生まれたものなのかなと感じますね」と、抜きんでた能力を絶賛している。
そして、昨年は2軍で指導してきた井上についても、成長ぶりに目を見張る。「ちょっとやっぱり一皮向けたなというのを感じました」。打球の質、スイングの強さがルーキーイヤーよりも向上していると力説した。
結果が求められるプロの世界。開幕1軍、スタメンを勝ち取るためにも競争は始まっている。ただ、北川コーチはキャンプ中は結果を追い求めていくより、自分のスイングを貫くことを大切にしてほしいと願っていた。
「極端に言えば、結果なんてまだね。僕はもう広大(井上)に関しても、佐藤君に関してもまだそこまで必要はないと思う。とにかく今、練習でやっている良い形をいかに試合でできるかが大事。試合になったから当てにいくようなことはしてほしくない。しっかり振ることを試合でもさせたいなと思っていますけど」
ボールにアジャストすることだけを考え、試合でしっかりスイングすることができなくなったら特長も生かせない。当然、怖さや威圧感も減少するだろう。思い切りの良さを消さずに、強振していくことを同コーチは求めている。
佐藤輝も井上も強振する大切さは十分に理解している。「(ボールに)あわせにいくのは嫌」と佐藤輝も当てにいく打撃は好まない。そして、井上は元ソフトバンクや阪神でプレーした城島のように打席に入る前にフルスイングをして、打席でも強く振ることを心掛けているという。
9日からはキャンプ初の対外試合・日本ハム戦が始まり、この試合を皮切りに敵チームとの対戦が増える。そこでフルスイングが貫けるか-。空振りを恐れることなく、振っていく姿に注目したい。(デイリースポーツ・関谷文哉)