【野球】縁の下で支える“Aクラス請負人”久本打撃投手、誓う「カープに恩返し」

選手にノックを打つ久本打撃投手
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 元広島の投手だった久本祐一氏(41)が、今季から打撃投手として復帰した。広島から戦力外通告を受けた16年に現役引退。17年からは古巣中日で打撃投手を務め、昨季限りで退団した。現役時代はタフネス左腕としてチームを勝利に導いてきた。中日で得た裏方としての経験を生かしながら、カープの勝利に尽力する。

 マツダスタジアムに隣接する屋内練習場に、自主トレに励むナインの練習をサポートする久本打撃投手の姿があった。16年以来、5年ぶりの広島復帰。「カープに恩返しできるチャンスをいただいた。全力でサポートしていきたい」と目を輝かせた。

 13年に中日から広島へ移籍。16年オフ、広島から戦力外通告を受けた。12球団合同トライアウト後に中日・落合GM(当時)から声がかかり現役引退を決断。翌17年からは打撃投手として再び中日のユニホームに袖を通していた。

 家族を広島に残し、名古屋には単身赴任していた。「中日球団には感謝の思いしかない」。気持ちも新たに、再び広島の地に戻ってきた。

 今年で打撃投手として5年目。常に野手のことを考え左腕を振ってきた。1軍に昇格したばかりの選手に投げる時は、最初の数球で特徴を把握するように努める。「内角が強そうなら、その球を投げるようにする。首脳陣に良いところを見せられるようにね」。選手一人一人置かれた立場は違う。常に緊張感を持って、選手が試合で力を発揮できるための投球を心掛けてきた。

 現役時代は「Aクラス請負人」と呼ばれた。現役15年間でBクラスは15年の一度しかない。通算248試合に登板。数々の修羅場をくぐり抜けてきた左腕は、打撃投手として野手と数多く接することで野球観も広げた。

 「野手心理は面白い。現役時代にもっと勉強しておけば良かったと思う」と苦笑いする。兄貴分的存在で、チームメートからも慕われる明るい性格。投手陣には自身の経験などを伝えていくことも使命だと感じている。「コミュニケーションをとっていきたい。それで変わる選手が出てきてくれれば」。間もなく始まる春季キャンプでも豊富なキャリアを生かし、縁の下でチームを支えていく。(デイリースポーツ・市尻達拡)

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