【野球】高校生の球数制限、各地区大会で運用に差…今後の課題は
史上初めてオンライン開催された第93回選抜高校野球大会選考委員会では、新たな高校野球の姿も模索された。
東北地区選出校発表の中で、1人の投手が投球できる総数を1週間で500球以内とする「投手の投球数制限」について提案があった。同地区からは、昨秋東北大会優勝の仙台育英(宮城)=2年連続14回目=と準優勝の柴田(宮城)=初出場=が選出されている。
同地区の前田正治委員長は、柴田のエース・谷木投手が東北大会で球数制限のため連投できず、決勝で大敗したチーム事情を訴えた。「球数制限のためエースが次の試合に先発できない事情があった。東北大会は1週間で日程を消化(10月14~20日)するが、他の地区では週末ごとに試合をする。選考の公平性に欠けるのではないかという意見がある。次回、球数制限再検討の際に議題に入れてほしい」と伝えた。
柴田は決勝で1-18で仙台育英に敗れた。それまで4試合に先発した谷木投手だが、決勝は先発できず、2番手で1/3回登板という苦肉の策だった。柴田は今大会、強豪私学を破った戦績から委員の満場一致で選出されたが、試合内容が大きなポイントとなるセンバツの選考委員会では、大差の試合が甲子園出場を左右するケースは多い。
日本高野連・小倉好正事務局長は球数制限について「選手の傷害予防として、可能な限り余裕ある日程を組んでもらっている。昨秋の東北大会も休養日を設けるなど考慮してもらった。(球数制限があっても試合が続行できるよう)加盟校にはさらなる複数投手制をお願いした」とこれまでの経緯を説明した。
肩肘への負担軽減には複数投手制が望ましいのは大前提だ。しかし公立チームでは、重要な試合は主戦投手1人に頼らざるを得ないなど、選手層の厚さも影響してくる。
「1週間500球」は昨年春から22年までの3年間の試用期間でさまざまなデータを取り、見直しながら運用される予定だ。昨年は新型コロナウイルスの影響で、試合数をこなせないチームが多かった。今後は試合各地からさまざまなケースが報告され、有効な論議が行われていくように期待したい。(デイリースポーツ・中野裕美子)




