【野球】鯉党に愛される堂林 息子に翔太と名付けたファンの思い

 3年前、広島・堂林はサイン色紙とマジックペンを持って驚きの表情を浮かべていた。関係者からお願いされたのは自身のサインと共に「翔太君へ-」のメッセージ。関係者の知人である翔太君の父親は大のカープファン、息子に「翔太」と名付けたのだという。

 「えー!?僕、責任持てないですよ…」

 ジョーク交じりの言葉が当時の不遇を物語った。高校時代に全国制覇を果たし、3年目の2012年には全試合出場。鯉のプリンスと呼ばれカープ人気に火を付けたが、ここ数年は守備固めや代走など控えに甘んじた。

 それでも堂林は技術向上に汗を流した。広島に復帰した新井に指導を仰ぎ、護摩行にも同行。2年前のオフは迎打撃コーチに素振り動画を送りフォームをチェックした。そして今年は後輩の鈴木誠に頭を下げ、合同自主トレの参加を願い出た。

 守備位置も出場機会を求めて外野へ。一塁も守り、二塁にトライしたこともあった。

 「乗り越えた壁はいつか自分を守る盾になる」-。冒頭に登場した翔太君の父は堂林の横断幕のこの言葉に心を打たれたという。

 「甲子園のスターにも関わらず、いつも謙虚で周りに感謝し、努力する姿を見て、息子にも彼のような人間性を持った人になってほしいと思いました。本当にいい名前を付けられたと思っています」

 堂林が打席に立つとマツダスタジアムは大歓声に湧く。サヨナラ打を放った試合では涙を流す人もいた。鯉党にとって背番号7は特別な存在だ。チームの低迷期も黄金期もカープファンはずっと復活を信じて待っていた。

 今季は111試合に出場し、打率・279、14本塁打、58打点、17盗塁。三塁のレギュラーを奪い、再び輝きを取り戻した。翔太君の父は「本当に良かった。こんな気持ちにさせてもらい、改めてすごい選手だと思いました」と感激。これまで菊池涼、鈴木誠に夢中だった翔太君も堂林ファンに。来年、家族で球場へ応援に行くことを楽しみにしている。(デイリースポーツ・杉原史恭)

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