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【野球】阪神よりも早く、甲子園の土を後輩に届けた亜大の新キャプテン

 東都大学野球リーグで今秋王者となった亜大が21日に新主将を発表した。DeNA・山崎、阪神・高橋ら数多くの選手をプロへ輩出した名門の大役を任されたのは、後藤貴大内野手(3年・神戸国際大付)。これまでリーグ戦への出場経験はないが、生田勉監督からの信頼は厚い。

 「何だろうがビシビシ言うし。司令塔ぐらい、(試合中では)守りのサインを出してくれたりとか、有能な。近年にないぐらい、いいですね」と指揮官はキャプテンシーを買っている。初めてベンチ入りした今秋のリーグ戦では生田監督のそばにつき、ベンチからナインに指示を送るなどチームを“縁の下”で支えた。

 グラウンドを離れた寮生活では朝の掃除などで率先的に行動していたことも、抜てきの理由だ。人間性は誰もが認めるところ。思いやりある行動はチームメートだけでなく、母校の高校球児たちにも向けられた。

 5月20日。コロナ禍の影響で春のセンバツに続き、夏の甲子園も中止が決まった。「後輩を元気づけたい」。思い立つと、すぐさま実家に連絡していた。自身は高校時代、聖地には3年春夏連続で出場。最後の夏は3回戦で敗れると、スパイクを入れる袋に目いっぱい甲子園の土をかき集めて持ち帰っていた。

 両親に確認すると、持ち帰った土は大事に保管されていた。母・さおりさんに頼んで小瓶へ詰めてもらい、約1週間後には30人を超える神戸国際大付の3年生へプレゼント。自身が在籍していた際のスローガンである「前向きに 負けないチーム 日本一」という言葉が記されたラベルも貼ってもらった。

 当時のチームの主将からは実家へお礼の手紙が届いたという。後藤の粋な計らいは、阪神と甲子園球場が日本高野連加盟の硬式、軟式野球部の3年生部員に『甲子園の土入りキーホルダー』を贈呈することを発表した6月8日よりも先のこと。母校の指導者陣から「(阪神の)矢野監督がお前のマネをしているぞ」と冗談交じりに感謝され、はにかんだ。

 チームのため、誰かのために、厳しい指摘も温かい気遣いもできる。プレーヤーとしての実績が乏しくても後藤が名門のリーダーに抜てきされたのもうなずける。コロナ禍の影響で来春は1部リーグは7校での争い。まずます“戦国東都”の印象が色濃くなる中、亜大の主将のキャプテンシーにも注目したい。(デイリースポーツ・佐藤敬久)

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