【野球】オリックスが26歳、164センチ、打率・155の独立L内野手を指名したワケは

 オリックスは10月26日に行われたドラフト会議でBCリーグ・福島の古長拓内野手(26)を育成6位で指名した。同リーグで今季は打率・155、0本塁打、2打点、0盗塁の選手をなぜ指名したのか?そこには意外な“狙い”があった。

 選択終了と思いきや、育成6位で指名したのは古長だった。独立リーグの26歳で身長164センチの小兵。意外過ぎる指名に興味が湧いた。今季の成績を見れば、わずか36試合の出場で打率・155!?不調だったのかと昨季の成績を見れば、打率・239、0本塁打、15打点。特筆すべきモノはない。謎が謎を呼んだ。

 牧田勝吾編成部副部長(46)は「よくぞ聞いてくれた!」と言わんばかりに冗舌に語り出した。

 「独立リーグで福島が一番厳しい練習をしている。そこから一人取りたいと思っていたんです。その中で岩村(明憲)監督(元ヤクルト)とバトルして、干された選手がいると聞いて“これだ”と思いました」

 肩が強いとか、足が速いとか、遠くに飛ばせるとかではなく、監督に逆らったのが決め手だったというのだ。

 「監督に対しても自分の意見を言える。やんちゃというか、我の強い選手を毎年一人入れたかった。ルーキーの中のキャプテンみたいな存在ですね。去年は大下でした」

 昨年度の育成ドラフト6位で指名した大下。今季途中に支配下を勝ち取ると、プロ初打席初本塁打の離れ業をやってのけた。それだけでなく、試合中はずっと声を出し続け、チームの雰囲気も変える存在となった。

 「大下の時もみんな反対でした。身長は171センチですし、足が速いわけでもない。でも彼は白鴎大で先輩の大山(現阪神)が打てなければ『しっかりしてください、先輩!』と言えた。そういう選手を毎年一人指名したいんです」

 今年は古長がそうだという。ただ、やんちゃなだけではない。やるべきことはしっかりやる。礼儀作法はきっちりやった上で、自分の意見を言える人物だという。

 オリックスは性格が良く、素直な選手が多い。それ自体は決して悪いことではないが、勝てない。ならば、その中に強い個性を持った選手を加えることで、“化学反応”を起こしたい。どんな変化をもたらすのか、古長の加入が今から楽しみで仕方ない。

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