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【スポーツ】27年前居反りを決めた玉垣親方が語る宇良との共通点 小兵業師の系譜

 不思議な縁だった。大相撲11月場所(東京・両国国技館)5日目の12日、人気業師の十両宇良(28)=木瀬=が幻の技「居反り」をさく裂させた。十両では1993年初場所、智ノ花が花ノ国に決めて以来。土俵下で見守ったのが27年前の居反りの使い主、審判委員の玉垣親方(元小結智乃花)だった。

 玉垣親方は「巡り合わせですね。27年ぶりですか」と感慨。若貴時代の空前相撲ブームの中、“牛若丸”舞の海氏とともに小兵の技能力士として大人気となった。小錦、曙ら大型力士に技で挑み、ファンを熱狂させた。

 柔よく剛を制す技能もタイプはさまざま。同親方は前さばきのうまい舞の海氏より宇良は自身に似ていると感じていた。「中に入って隙を見て、前に相手を置いて、潜り込んで技をかけるタイプ」。小さい体で大型力士を相手に勝つためには何か武器がいる。そのために磨いたのが不利な体勢からも繰り出せる豊富な技。自身も宇良も、その点でスタイルが似ている。教員免許を持っている、という共通点もある。

 日本相撲協会が定める82手の決まり手のうち、勝った取組で玉垣親方は34種を数え、技のデパート呼ばれた舞の海氏の33種を上回る。宇良は入門6年で26種を繰り出している。

 「技は一瞬で決まる。(宇良は)首を突っ込んで潜ってから相撲を取るからそういう技になる。ケガを覚悟で思い切ってその技をかけていく。宇良は首を突っ込んでもうまい。うまく手を抜いたり。首を突っ込んでからすかしたり、あれがあるからうまいなあ、と思って見ている」。同親方は業師だからこそ分かる目線で高度な駆け引きと勇気を称える。

 ましてや宇良は2度も右膝を手術し、長いリハビリに耐えて関取に戻った。「ケガを乗り越えてカムバックするのは難しい。相当な努力と体のケアをしたと思う」と親方も苦難を思いやった。

 幕内では炎鵬(宮城野)、照強(伊勢ケ浜)ら小兵も活躍する。「(宇良は)彼らとは違う。彼らは相撲自体は正攻法だから」と言う。「智乃花VS舞の海」の対戦成績は9勝9敗の五分で大いに、平成の土俵を沸かせた。

 幕内で「宇良VS炎鵬」など令和の業師対決も楽しみ。「相撲を取ってる本人は一生懸命。その相撲に夢中になってくれるのであればありがたい話」。土俵を沸かす小兵業師の系譜は受け継がれていく。(デイリースポーツ・荒木 司)

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