【野球】新型コロナウイルスがオリックス育成方針に及ぼす悪影響

 オリックスの5年目、吉田凌投手が15日・ソフトバンク戦(福岡ペイペイドーム)でプロ初勝利を挙げた。

 今季は7月1日・西武戦で6年目の鈴木優投手、7月31日・日本ハム戦(札幌ドーム)で同じく6年目の斎藤綱紀投手がうれしい初星を挙げている。

 3人の共通点は高卒下位指名だ。2014年のドラフト5位で斎藤、9位で鈴木、15年のドラフト5位で吉田が入団している。そしていずれも毎年、台湾で行われているアジアウインターリーグに参戦経験があるということだ。

 日本一となった1996年を最後に低迷しているチームだが、その育成プログラムには特筆すべきものがある。素材重視で指名した高卒下位指名選手がいる。年月をかけて彼らを戦力へと育て上げる方法がソレだ。

 その一つに福良淳一GMが掲げる実戦重視の育成方針がある。

 「選手は試合でしか成長しない。どれだけ多く打席に立たせられるか、投手ならどれだけ打者と対戦させるか。いくら練習を積んでもウエートトレーニングをしても試合の経験にはかなわない」

 監督時代からその方針は徹底している。今や主砲に成長した吉田正尚外野手も1年目のオフに、若月健矢捕手はほぼ正捕手だった17年に派遣した。いずれもさらなる成長を促すために試合を多く経験させるためだ。

 昨年途中にGMに就任すると、台湾に加えて、オーストラリアに宗佑磨外野手、西浦颯人外野手、佐野皓大外野手、富山凌雅投手を派遣。プエルトリコにはT-岡田外野手、鈴木優投手、漆原大晟投手が参加した。

 こうした方法を用いることで、年月を費やしてでも素材を開花させてきた。上位指名の選手だけでなく、下位指名の選手も戦力へと成長させられるようになった。

 その方針はチームに浸透してきている。だが、懸念されるのは新型コロナウイルスの影響だ。すでに今年は台湾でのウインターリーグ開催が見送られることになった。

 福良GMは「ほかの国も開催されるか分からないし、開催されたとしても派遣できるのかも分からない」と心配顔で話していた。

 昨年のドラフトでは高校生中心に指名。育成も8人指名した。好素材を来季以降の戦力にどうやって成長させていくかが、低迷脱出のカギとなる。

 ひとまずは2軍戦とアマチュアなどとの交流試合、そして宮崎で行われる予定のフェニックスリーグを最大限活用することにしている。

 今オフ、各国のウインターリーグが開催されなければ、オリックスにとって大きなマイナスとなるかもしれない。(デイリースポーツ・達野淳司)

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