【野球】DeNA・佐野 ドラ9から4番へ 抜てきの要因を2つの観点から考察

 米大リーグ・レイズに移籍した筒香の「4番」と「主将」の座を受け継いだ、DeNA・佐野恵太内野手(25)。日本選手4番の育成という見方もできるが、それとは別の4番抜てきの要因を2つの観点から考察する。

 1つ目は指揮官が評価した昨季の「代打での活躍」だ。ピンチヒッターとして37打席に立ち、32打数11安打、打率・344、2本塁打、17打点。得点圏打率・421をマークした。プロの世界では5回に1回の成功で合格と言われるほど難しい仕事で、抜群の結果を残した。

 ラミレス監督は「彼はパニックになるタイプではない。だから得点圏に強い」と佐野が勝負強い理由を説明。「これは皆さんに分かっていただきたいことですが、得点圏で結果を出すのは簡単ではない。(得点圏での)代打で結果を残せるということは、それだけの準備をしているということ」と称賛していた。

 代打での活躍=準備する能力が高いと捉えてみれば、期待されるのもうなずける。成功を収めた一流アスリートらは準備することの大切さを口にする。ワンチャンスをものにしてきた佐野には、一流になれる素養があるとラミレス監督は見ているのかもしれない。

 2つ目は「直球への対応力」。ストレートが一番打ちやすい球という認識は、どうやらプロレベルでは通用しないらしい。金本知憲氏(52)は阪神監督時代、野手に対して直球に振り負けない力を求めた。DeNA・田代チーフ打撃コーチからは昨年のキャンプ中、「真っすぐに振り負けないこと。変化球を心配する必要はない」との言葉を聞いた。速い真っすぐをいかに捉えるかが、打者にとって重要なポイントになる。

 多くの投手は「直球の精度を高めたい」と考えている。直球に威力やキレがなければ変化球が生きないというのが理由だ。そのため打者は試合で徹底的に磨き上げられたストレートに対応する必要がある。

 2年前、他球団の担当として佐野の打撃を見ていた際に感じたのは直球を捉える力。昨年からDeNA担当となり本人に確認してみると「そこは強みだと思っています」と教えてくれた。

 佐野は昨季、規定打席未到達ながら打率・295で直球打率・292だった。結果球(安打、凡打につながった球)のみの数字であるため、このデータだけで直球に強い、弱いとは言い切れないが、3割まであと一歩のところ。広島・鈴木、中日・ビシエドらセ・リーグ主力打者のほとんどは直球打率が3割を上回っており、中でも巨人・丸は打率・292に対して直球打率・370という驚異的な数字を残している。(データは共同通信デジタル)

 2016年度ドラフト9位で入団し、はい上がってきた佐野。新生DeNAの4番として、隠れた才能を開花させる。(デイリースポーツ・山本航己)

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