【野球】阪神の1番を考える キーマンはこの選手だ

 新型コロナウイルスが世界中に猛威をふるう。依然としてプロ野球の開幕日も定まらない。暗い話題に気持ちも沈むが、選手は来るべき日に向けて、黙々と準備を進めている。コロナ禍で苦しんだ阪神だが、15日から自主練習を再開した。

 開幕まではまだ時間があるが、ここで阪神のトップバッターを考察した。矢野監督は「オレの理想」として、2番に近本光司外野手を置くオーダーにこだわる。それだけにここでポイントになるのが、1番の存在だろう。

 オープン戦を通じて適性を見極め、開幕まで試行錯誤を続けていくが井上一樹打撃コーチは「監督がそこにこだわっている以上、1番を誰が打つのかが、キーポイントになるね」と思考を巡らせる。

 昨季の成績で振り返ってみる。

 上本 4試合 打率・067、出塁率・222

 木浪 24試合 打率・230、出塁率・260

 鳥谷 3試合 打率・067、出塁率・067

 北條 1試合 打率250、出塁率・250

 近本 108試合 打率・264、出塁率・310

 糸井 1試合 打率・250、出塁率・250

 糸原 2試合 打率・222、出塁率・222

 これを見ても分かる通り、7人が1番に入っている。108試合に1番として出場した近本が2番に移れば、やはり攻撃のカギは1番打者になるだろう。キャンプ中の実戦では木浪聖也内野手に糸原健斗内野手、上本博紀内野手も1番で起用。2番・近本を不動に、最善の打順を探っている。では、トップバッターに求める役割とは。同コーチの思考はシンプルだ。

 「当然、足の速さであったり、出塁率の高さも必要。でもね、チームを活気付けるような姿、勢いが、何より大切だと思う」

 リーグ優勝、日本一を達成した1985年は真弓明信、2003年の今岡誠(真訪)。2005年の赤星憲広がその役割を務めた。各年で2番以下のメンバーに応じ、形を変えてきたトップバッターの役割。現時点では1番・糸井、2番・近本の“イトチカ”コンビが有力になっている。

 昨季途中に左足首を負傷。腱(けん)に損傷が判明し、手術に踏み切った。それでも主に3番で103試合に出場。チームトップの打率・313など、勝負強い打撃で中核を担った。超人の完全復活、そして1番定着が15年ぶりの頂点に向け、重要なカギになりそうだ。(デイリースポーツ・田中政行)

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