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【野球】イチローさん「どこに行ったら指導を受けられますか?」

 米大リーグ・マリナーズの会長付特別補佐兼インストラクターのイチロー氏(46)が、学生野球を指導するのに必要な「学生野球資格」を取得したことが7日、公表された。

 12月に都内で行われた学生野球資格回復制度の研修会を修了し、日本学生野球協会の審査を経て、資格回復が認定された。これによってイチロー氏はマリナーズに籍を置きながら、特例的にオフシーズンには高校生、大学生に指導することが可能となった。

 このニュースを受けて思い出したのが、昨年12月下旬にイチロー氏の故郷、愛知県豊山町で催された「イチロー杯争奪学童軟式野球大会」閉会式での、イチロー氏と野球少年とのやり取りである。

 「どこに行ったらイチローさんの指導を受けられますか?」

 小学6年生の少年は素朴な疑問を投げかけた。聞けば、少年は閉会式前夜から、イチロー氏にこの質問をぶつけようと考えていたのだという。ちょうどイチロー氏が指導者研修を受けたことが大きなニュースとなり、話題を呼んでいた時期。質疑応答の場を与えられていなかった報道陣の一人として、どんな答えが返ってくるのか、こちらも思わず身を乗り出した。

 直撃を受けたイチロー氏の回答はその際に多く報じられているが、いま一度、おさらいしておくと「みなさんが高校生になってどこに進学するのか分からないですが、僕が特定の学校に常勤していなければ、いろんな所で。『お願いします』と言われれば、『来て』と言われれば行ける」というものだった。

 この回答で、イチロー氏は特定の学校で指導者となることへの可能性を否定してはいない。ただ「どこにでも行ける」という言葉からは、一定の組織にとどまることなく、幅広く指導する意思があることを表明しているとも受け取れる。

 個人的な思いを述べさせてもらえば、「特定の学校に常勤」するイチロー氏の姿はどうにも想像しにくい。それ以上に、日米で28年もの現役生活を送り、唯一無二の存在となったイチロー氏が、一つの組織のみに縛られてしまうのは、あまりに、もったいない。学生野球協会にしても、より多くの学生たちがイチロー氏と交われる機会を持つことを期待しているからこそ、特例的な資格回復を認めたのだろう。

 あの日、イチロー氏は、質問をぶつけてきた少年に、こんな言葉も贈っている。「高校になっても野球を続けていれば」という条件付きながら「『あのとき質問した僕です!』と言ってくれれば、覚えていると思う」。今頃、あの少年は、イチロー氏との再会を思い描いてワクワクしているに違いない。

 そんな気持ちの高ぶりを抱いているのは彼だけではないはずだ。「どこに行ったら指導を受けられますか」-。イチロー氏との交流チャンスを多くの野球少年たちが待っている。(デイリースポーツ・若林みどり)

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