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【野球】東大野球部前主将・辻居新平外野手 卒業可能もあえて留年、司法の道へ

 東京六大学野球リーグ各校でプレーした4年生の進路が、昨年末に出そろった。東大は、全員がバットを置いて有名企業などそれぞれの道へ進む。その中でプロからも注目された前主将・辻居新平外野手(22)は、卒業に足りる単位を取得しているにも関わらず、あえて大学に留年して司法の道を志す。

 昨秋に就任した元中日・井手峻監督(75)のもと、新体制となった東大が11日から始動。前主将で法学部所属の辻居は、私服姿、いわゆる“大学生っぽい”服装でひょっこりと東大球場のスタンドに現れた。

 「何を思うわけでもないんですけど、モチベーションが上がるんですよね」。引退して以来、初めて眺める練習風景。父や3兄弟の長兄と同じ弁護士になるため、「原点」と言い切る場所に力をもらった。

 4年間のうち、2年秋、3年秋と規定打席数以上で2度の打率3割を達成した。通算10盗塁と走力も十分。身体能力の高さはNPBスカウトも認めるところで、実際に社会人野球の強豪2チームからも声がかかっていた。

 注目されたからこそ「野球に対してはそこ(ドラフト候補レベル)を目指そう」と練習に身が入った。東大史上初の野手でのプロ入りを期待する周囲の声も重圧ではなく、むしろ「ファンの方がけっこう声をかけてくださって。励みですよね」と感謝している。

 17年秋から続く連敗を止めることはできなかったが、大学ラストゲームとなった昨秋の法大2回戦では八回までリードするなど勝利目前に迫った。「最後の試合は全員が一体となってくれた。それがうれしくて」

 白球を追って得た経験と思い出を胸に、新たな挑戦も始まった。目指す道は父の姿から漠然と憧れた司法の世界。限られた勉強時間の中、昨年11月に東大法科大学院入試を受験した。結果は不合格。だが「何とか結果を出して頑張ろう」と諦めず、その道を突き進む覚悟を決めた。

 東大野球部では公務員試験や資格試験に備えるといった理由で、意図的に卒業しない部員も珍しくない。辻居も大学施設を利用するため、卒業単位は十分に取得していながら、あえて在学したままで次のチャンスをうかがう。現在は現役合格した大学受験時代並みに猛勉強中。大学の図書館に通い詰め、1日8時間程度、机に向かっているという。

 弁護士になったら、やってみたい仕事がある。「契約更改の代理人とか、そういうのにつなげられたら」-。広島1位・森下(明大)、中日4位・郡司(慶大)、ロッテ5位・福田(法大)の“主将仲間”たちがプロ入りを果たした。よきライバルたちのサポートを夢に、バットをペンに持ち替えてチャンスをつかむ。(デイリースポーツ・佐藤敬久)

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