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【スポーツ】「神戸は『ぬるい』」変わった空気、変わらなかった根幹

 優勝したヴィッセル神戸=国立競技場
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 「天皇杯・決勝、神戸2-0鹿島」(1日、国立競技場)

 J1神戸がクラブ創設25年目で初タイトルを獲得した。「バルサ化」を標榜して2年目。三浦スポーツダイレクター(SD)が「アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)出場」を掲げた今季、リーグ戦こそ8位に沈んだが、最後の最後で必達目標に届いた。

 イニエスタを中心に元スペイン代表FWビジャ、日本代表経験を持つ山口、西ら実力者を加え「バルサ化」を加速させるはずだったが、2度の監督交代や公式戦9連敗など前半戦は混迷を極めた。

 転機となったのは、ベルギー代表フェルマーレンらを獲得した夏の大型補強だった。守備の再構築はもちろん、特に元日本代表、酒井の加入はチームに漂う空気を一変させた。

 「神戸は『ぬるい』」と酒井は言い切り、練習から強い競争意識を持ち込んだ。初参加の練習でウェリントンと激しく削り合う姿に、小川は「みんなスイッチが入った感じがあった」と振り返る。

 また、口数は少ないが、山口が練習から見せる質の高さは安井ら若手に刺激を与え、横浜Mなどでタイトル獲得経験のある那須は「練習から魂を燃やすチームが優勝する」と何度も熱く語りかけた。“血”の入れ替えは激しく進むが、小川は「練習に対する姿勢は、もの凄いものをもたらしてくれた」と補強組の効果も認める。

 変わらなかったものもある。「クラブとして目指すサッカーの根本はブレなかった」と小川は言う。2年間でのべ5人の監督が指揮を執った。布陣や攻撃における崩しの方法論は変化したが、イニエスタを「バルサ化」の象徴とし、徹底的にボール保持を求める姿勢は一貫していた。

 「ボールを保持することが大前提。それがあれば『神戸のサッカー』と言えるようになった」(小川)。度重なる監督交代に及んでも、“一定の”継続性や共通理解はクラブで担保されていた。

 今後の方向性は明確だ。フィンク監督は来季に向けて「継続」「ベース」という言葉を繰り返し強調したことがある。変革の迅速さも重要だが、真の継続性こそが常勝への王道であることは言うまでもない。(デイリースポーツ・山本直弘)

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