【スポーツ】永山か高藤か ニッポンの切り込み隊長はどっちだ 柔道世界選手権

 柔道の世界選手権が25日に日本武道館で開幕する。来年の東京五輪テスト大会を兼ねて男女個人の各7階級と五輪新種目の混合団体が行われ、個人は男女各9人の日本代表が出場。世界一となった日本選手が11月のグランドスラム(GS)大阪大会も優勝すれば、年内にも東京五輪代表に決まる可能性がある。大会初日の男子60キロ級は、2連覇中の世界王者・高藤直寿(26)=パーク24=と、18年大会銅メダルの永山竜樹(23)=了徳寺大職=によるハイレベルな一騎打ちに注目が集まる。

 日本のトップバッターは誰だ-。かつて野村忠宏が五輪3連覇を達成した最軽量級は“切り込み隊長”としての役割も担ってきた。「五輪、世界選手権の個人戦は団体戦と同じ」。日本男子の井上康生監督(41)が常々説くように、最軽量級から最重量級までを1つのチームと捉えると、初日からの流れによって後半の個々人に懸かるプレッシャーの度合いも変わっていく。東京五輪では柔道は大会1日目から行われるため“先鋒”の成否に日本選手団全体の命運も懸かっている。

 そんな重要ポストを争うのは日本が誇る「世界2強」。高藤が「海外のこの階級のレベルは低い」と断言するように、高藤と永山は傑出した存在だ。

 高藤はリオデジャネイロ五輪で銅メダルに終わった悔しさを原動力に17、18年と世界選手権を連覇。かつては肩車ややぐら投げなどのトリッキーな柔道で魅了してきたが、近年は自在に組み手や足技を用いながら相手の隙を生み、確実に仕留める手堅い柔道で進化を遂げた。「泥くさくてもいいので勝ちたい」。東海大時代の3学年後輩である永山の強さや真面目さを認めているが、「(大舞台は)ちょっとクレイジーにならないと勝てないぞ、というのを見せたい」。経験値で上回る王者が3連覇を見据える。

 一方の永山は16年12月のGS東京大会で高藤に一本勝ちし一躍その名をとどろかせた。156センチと小柄ながら世界屈指のスピードと投げ技の切れ味で一本勝ちを量産。国際大会では2年間、高藤以外に負けていない“最強の2番手”は「一番強いのは高藤先輩」と意識しつつ、「どんな状況でも勝つのは一番強い選手。調子が悪くても勝てる地力をつけてきた」と3度目での初制覇に自信を見せる。

 通算成績は2勝2敗と五分。昨年の世界選手権以来1年ぶりの再戦が実現するとすれば決勝となる可能性が高い。因縁の世界一決定戦は完全決着を期待したい。(デイリースポーツ・藤川資野)

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