【スポーツ】バスケ女子・馬瓜ステファニー“二刀流”で目指す東京五輪

 2020年東京五輪で新たに「3人制バスケットボール」が採用された。3季目のシーズンを終えた男子Bリーグの選手をはじめ、5人制と3人制の両立を目指す選手が増えている。金メダル獲得を目指すバスケットボール5人制女子日本代表メンバーの馬瓜(まうり)ステファニー(20)=トヨタ自動車=もその一人だ。

 強豪ベルギーとの強化試合(31日、6月2日・水戸)へ向け、5人制女子代表は20日から都内で合宿を開始。馬瓜は18日まで3人制代表の候補合宿(秋田)に参加し、中1日で5人制にやってきた。昨夏のジャカルタ・アジア大会では、5人制代表に選出されながら急きょ3人制での出場も決定。“二刀流”で日の丸を背負い、5人制では銅メダル、3人制では銀メダルを獲得するなど、さまざまな経験を積んだ。

 ガーナ出身の両親のもと、愛知県で生まれ育った馬瓜。言葉も考え方も生粋の日本人。3歳上の姉エブリンは、同じく女子代表でも活躍する主力選手だ。高い身体能力はもちろん、代表のトム・ホーバス・ヘッドコーチはステファニーについて「手が長いし、ローポスト(ゴール下付近)での体の使い方もうまい」と評価する。身長182センチに対し、リーチは197センチもあるという。

 「去年は体力もなかったし、スリーポイント(3点シュート)も打てなかった」というが、シュートを狙えるエリアも広がり、プレーの幅も増している。5人制代表でも、SG、SF、PFと3つのポジションでのプレーを求められている。

 女子の場合3人制の方がボールがやや重く、シュート感覚に違いはあるが「同じバスケットボールなので」と馬瓜。3人制の中で5人制の魅力をあらためて感じることがあれば、その逆もまたあるといい「どっちも好き」とはにかんだ。5人制で持ち味としているリバウンドの強さは「スリーバイ(3人制)でも買われているところ」と自信を持っている部分。攻守の切り替えの速さは3人制で体感し5人制でも意識している。接触は3人制の方が強いが、その経験も5人制に生きているという。

 5人制でアピールを続けることはもちろん必須だが、3人制で東京五輪代表に入るためには、大会に出場してポイントを獲得する必要がある。オフも少なく、タフな毎日となるが「すごくいい経験になっている。選べる立場じゃないですけど、今年のうちにしっかりポイントを取りたい」と今季は二足のわらじを貫く方針。「自分は求められるところでやりたい」と控えめに語った一方で「どっちも出られるならそれが一番」と欲もチラリ。「ありがたい。楽しんでやっています」と笑った。

 東京五輪まであと約1年2カ月。リオデジャネイロ五輪では、女子は準々決勝で大会覇者の米国に敗れ、8強に終わった。自国開催の大舞台で見据えるのは金メダル。ホーバスHCも「ステファニーは頑張っているし、変わった。面白い選手」と評価しているだけに、バスケ界の二刀流戦士が、そのカギを握るかもしれない。(デイリースポーツ・國島紗希)

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