【野球】阪神2軍も熱い 若手に負けじと奮起する「働き盛り」の選手たち

 阪神2軍の安芸キャンプ。宜野座キャンプ組に負けじと選手が闘志を燃やし、日々、鍛錬を重ねている。小幡ら新人や熊谷、高橋遥などの若手だけでなく、経験のある岩田、伊藤隼らも虎視眈々(たんたん)と1軍の座を狙っている。

 「選手たちのやってやろうという意気込みを感じるよね」と、平田勝男2軍監督(59)。30歳を過ぎ、一般的には中堅、ベテランと呼ばれる選手たちの存在に対し「安芸組はベテランなんて選手はいない。“なにくそ”と思っている選手は多い。若手だよ。みんなが働き盛りだよ」と指揮官は強調していた。

 9時半から全体練習を開始するファーム。その中で1時間前から球場に降り立ち、特守を受ける選手がいる。山崎憲晴内野手(32)だ。横浜(現DeNA)時代から全体練習の開始時間より前に球場入り。継続して特守に励んできたという。今キャンプでも、高代2軍チーフコーチに志願。二塁や遊撃の守備位置で、果敢に白球に飛び込む姿が印象的だ。休養日も球場に詰めかけ、黙々とマシン打撃を行うなど、余念はない。

 内野守備はどこでも守れるユーティリティープレーヤー。「シーズンが始まるこの時期、もちろん『レギュラーを取るんだ』という気持ちでやっている」と、山崎は語気を強める。新人の09年に8番・三塁で開幕スタメン。13年、14年もレギュラーとして活躍してきた。定位置奪取へ。冷え切ることのない情熱を胸に。シーズンに向けての戦いを背番号32は着々と見据える。

 16日には今季初の対外試合、西武戦(安芸)が控える。藤原オーナーの視察予定日で、平田2軍監督もアピール合戦を期待する。

 その中で“オレがヤル”と登板志願した実績のある2人にも注目だ。「岩田、岡本が志願している」と明かした指揮官。予定では20日以降の実戦からオープン戦にかけての登板を考えていたという。だが、両投手から「投げたい」と意欲を示され、「彼らの今年にかける意気込みを感じる」と、うなずいた。

 12日に行われたシート打撃に、両投手は登板。16日の登板について香田2軍投手コーチも「(現段階では)そうでしょうね」と登板を示唆している。

 安芸は熱気に満ちあふれている。第4クールには、いよいよ今季初の対外試合へ。「みんなが働き盛り」。目の前の試合を貪欲に、ひたむきに。ガムシャラなプレーに目が離せない。(デイリースポーツ・関谷文哉)

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