【野球】名門復活に腐心する名セットアッパー 韓国で奮闘する落合英二氏

 名声を誇ったかつての常勝軍団が、沖縄の地で名門復活への足音を刻んでいる。2011年から15年にかけて、球団史上初のレギュラーシーズン5年連続優勝を成し遂げた韓国プロ野球のサムスンライオンズ。直近の3年では球団史上最低の9位(全10球団)に沈むなど、3年連続Bクラスと苦しんでいる。

 「この5年で打者7人がFAで出て行きましたからね」。中日で名セットアッパーとして99年のリーグ優勝に貢献。06年に現役引退後、10年から12年にサムスンで投手コーチを務め、15年から17年のロッテ投手コーチを経て、昨年からまた投手コーチを務めている落合英二氏(49)が、低迷する理由の一端を明かした。

 かつて阪神にも在籍した呉昇桓が守護神として活躍した11年には、ソフトバンクを破ってアジアチャンピオンに輝いた名門チーム。だが、近年は経営母体であるサムスングループの不祥事なども重なって野球事業への資本投入が減り、マイナスの意味でチーム成績に反映されてしまっているようだ。

 韓国は日本と違い、30歳を迎えるまでに最大2年に及ぶ兵役に就かなければならないのだが、チームに属する選手をいつ兵役に就かせるのかという判断も大事なのだと落合コーチは言う。

 「仮に有望な選手であっても、同じポジションにレギュラーを張れる選手がいるとすれば、兵役に行ってもらうとか…」。現在から数年先の未来を見越したチーム編成。日本とは似ているようで、少し異なる図式。近年では16年、そして昨年とレギュラーシーズンを制覇した斗山ベアーズが、バランスの良いチーム編成を進めているのだという。

 「今年のサムスンは…厳しい戦いになるのかなと思ってますよ。でも、ここにいるのは、絶対にうまくなってやろうという気持ちを持った選手たちばかり。僕は少しでもその手助けができればいいなと思ってます」

 日課となっている早出特打での打撃投手。現役時代と変わらぬ美しいフォームで、現役時代とは違う打ちやすい球を投げ続けている。無駄な1球などない。必ずや成長の一助に、名門復活の礎になると信じて、右腕を振り続ける。(デイリースポーツ・鈴木健一)

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