【野球】巨人・今村信貴と恩人の“信”の絆 ウイニングボールに込めた感謝

 巨人・今村信貴投手(24)は今季、先発ローテの一角として“奮投”を続けた。杉内から指摘された「スライダーの腕を振る意識」や「メンタルトレーニング」などを実践し、飛躍の年となったこの1年間、今村はある人に感謝を込めて続けたことがある。守り通した行いとは-。

 誰よりも感謝を伝えたい人がいる。自身の名前と同じく“信”が付く、チームのチーフブルペン捕手を務めている高橋信夫さん(46)だ。1軍のキャンプや試合、練習に帯同し、投手陣の影の女房役としてチームを支え続けているベテランだ。

 高橋さんのことを“ノブオさん”と慕う“ノブ”がシーズン中に突然、記者に明かしたことがある。

 「(自分が)勝利投手になったときには、必ずノブオさんにウイニングボールを渡すようにしているんですよね」

 左腕がキャッチボールやブルペンなどで調整を行う際、高橋さんが受け手となる場合が多い。練習後にグラウンドからベンチに引き揚げる際、熱心に話し込む姿を見かけることが幾度もあった。

 今村は「普段は褒めてくれる人ではないですよ」と高橋さんの人柄について口にしたが「ずっと見てもらっているので、困ったこと、聞きたいことがあったら、絶対にノブオさんに聞いてしまうんですよね。僕にとっては大きな存在です」と絶大な信頼を寄せていることを明かした。

 活躍を陰で支えてくれているからこそ、勝利の喜びを伝えたい、と思いのこもったウイニングボールを渡すという。高橋さんは「そんなことするのは(投手陣では)今村だけですよ」と少し、恥ずかしそうにし話す。「(他の選手と同じ)普通の選手ですよ」と言いながらも、ウイニングボールの話題にはうっすらと笑みを浮かべていた。

 今季は自己最多の6勝をマーク。来季の目標に“2ケタ勝利”を設定している。左腕は「原点に立ち返って、直球の質を高めていきたい」とテーマを掲げ、今オフは鍛錬を重ねていく予定だ。

 記者が「来年、より多くウイニングボールを」との質問すると、今村はうなずきニヤリとした。勝利こそが1番の恩返し-。“大きな存在”と尊敬する師に絶対的に信頼される投手になるため、2ケタ勝利を毎年挙げられるような“大きな存在”になってみせる。(デイリースポーツ・関谷文哉)

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