【スポーツ】本田望結の挑戦 二足のわらじのその先へ

 フィギュアスケートの西日本選手権が11月4日まで名古屋市の日本ガイシプラザで行われた。ジュニア女子で8位に入り、全日本ジュニア選手権(23~25日、福岡市)の出場権を獲得したのが、本田真凜(17)=JAL=の妹で女優の本田望結(14)=関大中=だ。10月の全日本ノービス選手権で2位となったことで、全日本ジュニアの出場権を得ている妹の紗来(11)=京都醍醐ク=と、大舞台で直接対決する。

 ブロック大会で望結を取材するのは1年ぶりだったが、身長が伸び、顔立ちが大人びた以上に驚いたのは、その話しぶりだった。「最終滑走でしたが、しっかりと落ち着いて滑ることができました。6分間練習の後に時間があくのですが、兄(男子シニアの太一)のアドバイスのおかげでうまく過ごすことができました」

 ハキハキとした話しぶりは、子役や女優のそれではなく、しっかりとしたトップアスリートのものだった。今回の結果を「全日本に行くんだと気持ちを入れて、スケート中心にやってきた成果が出た」というのもうなずけた。

 昨年は初めて全日本ジュニアに出場したが、20位に甘んじた。「去年は全日本ジュニアに行けて(そこで)満足してしまった」と悔しそうに振り返る。「2つのこと(女優とスケート)をしているということで、自分の中で言い訳をつくっていた。ちゃんとフィギュアスケーターとして認めてもらえるようになりたい」。ジュニアの国内最高峰で、スケーターとしての存在感を示したい。その思いがひしひしと伝わってきた。

 去年、ドラマの撮影を抱えている時は、東京でリンクを借りて、合間を縫って練習していたと聞いた。その上「学校の勉強もしっかりしたい」とも言っていた。思えば、彼女の口から“言い訳”など聞いたことはない。ただ、ここでさらに腹をくくったということなのだろう。

 目標の全日本ジュニアの切符を得て「明日からは女優の望結に戻るんですけどね」と報道陣を笑わせた。「気持ちのコントロールが少し上手になったかな」。かれんだった少女が目指すのは、新しいアスリート像だ。14歳の力強い言葉を聞いてると、彼女ならやれるのかもしれないと思う。(デイリースポーツ・船曳陽子)

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