【野球】阪神投手陣が武器とする、最古の変化球カーブの重要性

 独自の視線から阪神タイガースのプレーの深層に迫る「虎目線」-。今回は12球団トップの防御率3・12を誇る先発陣の秘けつにスポットを当てる。チームトップの7勝を挙げるランディ・メッセンジャー投手(36)を筆頭に秋山拓巳投手(27)らが支える先発ローテ。大きな武器となっているのが、球界最古の変化球といわれている「カーブ」だ。昨季と比べ球種構成の割合も増加。安定感を生み出した要因でもある変化球の重要性を説く。

 球界で再評価されている球種がある。最古の変化球「カーブ」。阪神では、メッセンジャーや秋山、岩貞、小野、才木ら先発陣も武器とするボールだ。好投手の楽天・岸や西武・多和田の代名詞でもあり、米・大リーグではサイ・ヤング賞に3度輝いたカーショー(ドジャース)など、カーブを操る一流投手が増加している。

 現代野球では打者の手元で動かす投球スタイルが主流。状況に応じてツーシーム、カットボール、フォークボール、チェンジアップといった球種を投じる投手が増えてきた。一時は主流から外れたカーブ。しかし、鈴木啓示(元近鉄)や江夏豊(元阪神)、江川卓(元巨人)ら往年の大投手は直球、カーブで偉大な記録を打ち立てた。自身もカーブを代名詞に黄金期の巨人でローテの一角を担った香田投手コーチは語る。

 「今の打者の反応を見ていると、落ちる球やストレート系は(投手にとって)不利になる。曲がり球のカーブは打者の反応があまりよくない。そういったところでカーブが投げられる投手というのは勝ち星が増えてきている。今の投手は真っすぐも速くなってきているし、その中での打者は対応しにくくなってきていると思う」

 金本監督も投手陣や捕手・梅野らに対して、打者目線から再三カーブの重要性を説いてきた。チーム全体としてデータにも顕著に表れている。球種構成が大きく変化しているのは2年目の小野。前年は3・7%だった割合が、10・2%へと大幅に上昇した。その効果は数字にも表れ、今季9試合の登板で3勝2敗、防御率3・38。被打率は・270から同・246に減少した。

 最速154キロの直球との組み合わせも効果は絶大だ。小野が狙いを明かす。「投げるのは怖いですけど打者も、自分に対してカーブを待っていることはなかなかない。カーブでカウントが取れたらあとが楽になるので」。同様に岩貞が1・0%→2・4%、秋山が8・1%→11・7%と割合を増やすことで、勝ち星につなげている。

 再評価される最古の変化球。今季、象徴的だったのが5月29日のソフトバンク戦(甲子園)。先発はメッセンジャーだ。初回2死二、三塁でデスパイネを迎えた場面。初球115キロ、2球目117キロ、最後は116キロと、落差の大きいカーブを3球続け、見逃し三振でピンチを脱却した。

 実際、メッセンジャーのカーブの被打率は・158で、全球種の中で一番低い。「目線を変えることであったり、緩急を付けるという意味でいい球種。しっかりとタメをつくれる打者の場合は、ゾーンに入れないように心掛けている」。12球団トップとなる防御率3・12を誇る虎の先発陣。原点回帰でチームの勝利へと貢献し続ける。。(デイリースポーツ・井上慎也)

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