【野球】巨人・陽岱鋼の従兄、亡き友に支配下選手登録誓う

 オリックスの育成・張奕(ちょう・やく)外野手(23)は、台湾・花蓮市出身、巨人・陽岱鋼外野手の従兄(いとこ)と話題になったプロ2年目。今年中の支配下選手登録を目標に掲げる二つの理由とは-。

 7日深夜に故郷が大地震に揺れた事実を張奕は翌朝に知った。無料通話アプリLINEで妹から両親に向けたメッセージが入っていた。「地震大丈夫でしたか?」。幸い、両親をはじめ家族に被害はなかった。

 だが、ネットで検索した台湾・花蓮市のニュース映像に言葉を失った。傾いたホテル、倒れたマンション。悲惨だった。そして、画面に流れる犠牲者のテロップを見た瞬間、「ウソだろ!」と叫んでいた。周志軒さんの名前がそこにあった。別人と思いたかったが、現地にいる友人から崩れたホテルの下敷きになったと告げられた。

 「子供のころから仲が良かったんです。4歳年上でいつも一緒に遊んだ。キャンプ前にも電話でしゃべったばかりだったのに…」

 1月29日に張奕のインスタグラムを見て、連絡をもらった。そこでいつものようにおしゃべり。最後は「加油(頑張れよ)」と激励の言葉をもらい、電話を切った。その相手がもうこの世にいない。その事実を信じたくはなかった。

 本当なら葬儀に駆けつけたいところだが、台湾に帰国するつもりはなかった。支配下選手を勝ち取るまで帰らないと決めたからだ。それはあの人との約束でもある。一昨年のドラフト指名後、母方の従兄・陽岱鋼と会った。憧れの人の言葉は厳しかった。

 「お前、台湾に里帰りしようと思ってないか。プロはそんな甘いところじゃないぞ」

 プロ入りが決まって浮かれた気持ちを見透かされた。心に刺さった。以来、一度も帰国していない。陽岱鋼と話したのもそれが最後となっている。

 「支配下を勝ち取れということだと思う。今年は絶対に支配下登録されます。ダメなら野球は終わりくらいの気持ちです」

 その表情に強い意志が表れた。日々の練習に取り組む姿勢は昨年までとは違う。

 ふとしたとき、亡き友の「加油」の声が耳によみがえる。いつか墓前に最高の報告をするつもりだ。そして、陽岱鋼と同じ舞台に立つ。2人の存在が限界を超える原動力になっている。(デイリースポーツ・達野淳司)

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