【スポーツ】田中恒成がフライ級に転向 日本人同士の統一戦は今度こそ実現するか

 田中恒成(22)=畑中=がWBO世界ライトフライ級王座を12月1日付で返上し、フライ級に転向することを正式に表明した。6日に名古屋市内で行われた記者会見で、田中は「ライトフライ級の減量がもう無理」と減量苦を最大の理由に挙げ、「気持ちを新たにフライ級で頑張りたい」と3階級制覇へ意欲を示した。

 9月のV2戦で両目眼窩底を骨折し、年末に計画していたWBAライトフライ級王者・田口良一(30)=ワタナベ=との統一戦が消滅。田中は「田口選手には期待させて申し訳ない気持ち」と頭を下げた。会見前日の5日には、田口が所属する都内のワタナベジムを単身訪問。ジムの外で田口が練習を終えるのを待ち、直接謝罪したという。

 田口との統一戦が実現していれば、日本人同士の他団体王座統一戦は12年6月に行われたWBCミニマム級王者・井岡一翔(井岡)とWBA同級級王者・八重樫東(大橋)の対戦以来、国内2度目だった。歴史的な一戦は流れたが、夢には続きがあるかもしれない。

 現在世界4団体のフライ級はWBAは井岡一翔(28)=井岡=が王座を返上したため空位、WBCは比嘉大吾(22)=白井・具志堅、IBFはドニー・ニエテス(35)=フィリピン、WBOは木村翔(29)=青木=が王座に就いている。木村は12月31日に元WBC同級王者で同級1位の五十嵐俊幸(33)=帝拳=と初防衛戦に臨むことが決まっている。

 畑中清詞会長(50)は来春に田中の転向初戦となる再起戦を行う計画で「WBOには挑戦者決定戦をやりたいと言っている」と当面はWBOのベルトが標的となることを明かした。木村か五十嵐が王座を守り続ければ、いずれ田中との対戦は実現することになるし、ファンが何より夢見るのは田中がWBO王座に就いた場合のWBC王者・比嘉との他団体王座統一戦かもしれない。

 田中は「挑戦者の立場なので誰とでもやりたい。ベルトを守ることより挑戦する気持ちを忘れたら終わり。チャンピオンになってからもその気持ちは変わらない」と強敵だけを追い求める。統一戦実現には試合会場やテレビ放送など様々な要素をクリアする必要があり、当然容易ではないが、ボクシング界のさらなる活況のためにも田中の夢がかなうことを願うばかりだ。(デイリースポーツ・山本直弘)

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