【スポーツ】平昌フィギュア男子3番手に入れるか…強運エンターテイナー友野一希

 フィギュアスケートは、これまでGP(グランプリ)シリーズ4戦を終えた。平昌五輪シーズンである今季は、その代表権を争う全日本選手権(12月、東京)が1つめのヤマ。男子は3枠、女子は2枠の代表権をかけて、熱い戦いが繰り広げられそうだ。

 中でも男子は、事実上羽生結弦(ANA)、宇野昌磨(トヨタ自動車)の2強。選考は優勝者が内定、2人目は全日本2・3位、GPファイナル出場者上位2人から、3人目は2人目から漏れた選手、世界ランク日本人上位3人、シーズンランク日本人上位3人、シーズンベストスコア日本人上位3人の中からとなっており、これまでの実績から言って2選手の代表入りはほぼ確実だ。一方3枠目は混戦状態と言える。(右足首を負傷中の羽生の全日本選手権出場可否によっては「2枠目争い」となるが、ここは便宜上3枠目争いとする)。

 3枠目としてかねて名前が挙がっていたのは、昨季世界選手権代表の田中刑事(倉敷芸術科学大大学院)、実力者の無良崇人(洋菓子のヒロタ)、村上大介(陽進堂)の3人だったが、このNHK杯(11月10~12日、大阪)でGPシリーズデビューを果たした19歳の友野一希(同大)もそこに加わったと言っていいだろう。

 まさに青天の霹靂(へきれき)だった。NHK杯開幕4日前、エントリーしていた村上大介の欠場により、急きょ“代打”での出場が決まった。「今まで自分が練習してきたことを全力で出せるよう、精いっぱい楽しみたい」。SP、合計で自己ベストを更新。シーズンベストでは田中に次ぐ4番手のスコアをマークし、存在感をアピールした。強運で引き寄せたチャンスを、見事生かして見せた。

 シニア1年目。昨季の全日本ジュニアチャンピオンではあるが、世界ジュニア選手権9位と“圏外”からのスタートだった。それでも9月のUSインターナショナルで、シニアの国際大会を経験。米国のファンからも大きな歓声を受け「世界がまた1つ広がった」と目を丸くした。まだ4回転には波があるが、自己ベストの更新を確実に続けており、着々と歩みを進めている印象だ。

 五輪イヤーである今季、開幕の頃には平昌五輪と「口にするのも怖かった」と友野は話していた。それでもあえて、声に出すのは「『平昌五輪』って言葉を自分の中で持って、奮い立たせて、成長スピードを上げたい」と思うからだ。

 アイスショーでは犬の耳をつけて踊ったり、ヌンチャクを振り回したり…。「お客さんに楽しんでもらいたい」が信条の希代のエンターテイナーが、五輪代表権をかけて本気の勝負に挑む。(デイリースポーツ・國島紗希)

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