流血2位の羽生 担架で…「映さないで」

 男子フリーの演技を終え、抱えられながら引き揚げる羽生結弦=上海(共同)
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 「フィギュアGPシリーズ第3戦・中国杯」(8日、上海)

 ソチ五輪金メダリストの羽生結弦(19)=ANA=がアクシデントを乗り越え、男子フリーで魂の演技を見せて2位に食い込んだ。

 冒頭の4回転ジャンプは転倒。その後も4度転倒したが、4分30秒を滑りきると万感の表情で天を見上げた。

 羽生は6分間練習で閻涵=エン・カン=(中国)と激突。相手の右肩にあごが当たり、リンクに倒れ込んだ。顔面は蒼白。ふらつきながら一度はリンクサイドに退いたが、再びリンクに戻った。

 頭にテーピング、あごには絆創膏(ばんそうこう)。演技中も頭部とあごからの出血は止まらず、白いシャツにも血がにじんだ。

 すべてを出し切った羽生は何度もふらつき、足もひきずりながらキスアンドクライへ。汗と血を流しながらも満足そうに見つめた得点板にフリーの154・60点、合計237・55点が表示されると、両手で顔を覆い、上半身を折り曲げて号泣した。

 羽生は前日7日のショートプログラム(SP)で2位。SP首位のマキシム・コフトゥン(ロシア)を残して暫定首位に立った。キスアンドクライの横にはストレッチャーが待機していた。自身の得点だけを確認すると、最終演技者のコフトゥンの結果を待たず、テレビカメラに「映さないで」と恥ずかしそうな笑顔でストレッチャーに乗り込み運ばれた。

 コフトゥンは1度転倒しながらも、フリーで157・38点をマーク。合計243・34点で優勝を決めた。

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