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【野球】アルプス席で「たくさんの出会い」三本松OBが後輩に感謝

 全国高校野球選手権も19日で8強が出そろった。18日の3回戦で人口約3万人の町から出場の三本松(香川)が、東京の雄・二松学舎大付(東東京)を5-2で下した。チームとしては初、香川県勢としても15年ぶりの8強入り。公立校として唯一勝ち残っている。

 ベンチ入り全員が香川県出身者。おらが町の誇りとして、アルプス席には、地元からバス30台、約2000人の応援団が集結した。その中に東京から初戦に続いて応援に駆けつけたOBの姿があった。1984年の甲子園初出場時、2年生で背番号13を付けてベンチ入りした山瀬薫さん(50)=会社員=だ。控え捕手として「行進だけでした」と33年前を振り返った。

 アルプス席での応援は今年が初めて。93年、後輩たちが2度目の甲子園出場を果たしたときは内野席から観戦した。アルプス席に行かなかったのは「ひがみもあった。(甲子園への夢を)捨て切れないというときでした」と、後輩たちを素直に祝福できない自分がいたという。

 正捕手となった高校3年の夏、香川県大会決勝で敗れ悔し涙を流した。地元の香川大学で野球を続け、三本松野球を継承するように厳しい練習、試合ではバントやエンドラン、盗塁を駆使する“スモールベースボール”で四国一になったこともある。しかし、高校時代、最高学年で夢が破れた悔しさは、社会人4年目の93年になっても捨てきることができなかったのだ。

 それが今は違う。「50歳になって価値観も変わってくる。後輩たちが頑張ってくれた。甲子園に来たら30数年ぶりにチームメートに会うこともできた。高校時代は仲良くなかったけど、大人になって会うと違う。そういうのをつなげてくれた後輩たちに感謝したい」と8強入りを喜んだ。

 日下広太監督(33)との縁も感じている。山瀬さんが高校1年のとき、2012年に日本高野連から「育成功労賞」を贈られた故鎌田康彦さんが監督に就任。三本松で20年指導したが、最後の教え子が日下監督だった。「鎌田監督の入り口が僕で、出口が日下監督だった。つながりを感じますよね」という。アルプス席には恩師の遺影もあった。

 三本松のユニホームを着て応援する部員の中には、大学時代のチームメートの息子もいた。「甲子園はいろんな人とつなげてくれる」と感慨深げに話した。準々決勝・東海大菅生(西東京)を観戦するため、大阪にいる妹宅に泊まるという山瀬さん。「準々決勝が最後。仕事を休んでばかりいられないので」。勝っても負けても今夏のアルプスでの応援は最後となる。“三本松旋風”でたくさんの出会いに感謝するOBは、後輩たちのさらなる躍進を祈っている。(デイリースポーツ・岩本 隆)

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