【野球】阪神・メンデス、待望1軍デビュー マテオの抹消「大事な仲間の分も」

 待ちに待ったマウンドだった。阪神のロマン・メンデス投手(26)が22日のヤクルト戦(神宮)で1軍戦初登板を果たした。最速151キロの直球に安定した制球力で2回1安打無失点。見事結果を残した。

 2軍では主にクローザーとして38試合に登板し、0勝3敗、防御率3・11の成績。ここ最近調子を落としてはいたが、19セーブはウエスタン・リーグトップの数字だ。

 ただ、チームの外国人枠の兼ね合いで、いくら2軍で好成績を残しても昇格はならなかった。阪神の助っ人投手陣は先発の柱であるメッセンジャーと、勝利の方程式を担ってきたマテオ、ドリスがいる。

 今回、メンデスにチャンスが巡ってきたのはマテオが軽い腰の張りを訴え、2軍で再調整となったから。メンデスは「思っていたような(昇格の)形ではなかった」と、母国・ドミニカ共和国で共にプレーした経験を持つマテオの状態を心配した。それでも「大事な仲間の分も」と意気込みを示し、自身初となるマウンドに上がった。

 1軍昇格したその日に出番は回ってきた。光ったのは安定した制球力。メンデスは2軍にいた時から「とにかく低めに集めることを意識している」と再三、口にしていた。150キロを超える直球を持ちながらも、自身の生命線をコントロールだと認識している。

 マウンド上では、少し顔をうつむけるようにしてセットポジションを取る。投球フォームに、助っ人投手のイメージである「荒々しさ」はあまり感じられない。掛布2軍監督はそんなメンデスを「哲学者のよう」と表現する。普段は陽気な男ではあるが、マウンドに立てば一変する。

 そんなメンデスは登板する直前に「レッドブル」を欠かさず飲むという。それが、リリーフ投手としてスムーズに試合に入っていくためのスイッチとなっているようだ。一度、レッドブルを忘れたメンデスが、ソフトバンク2軍との試合前に慌てて筑後船小屋駅前の自販機まで買いにいく姿を見たことがある。

 チャンスはあまり多くない。マテオは「最短10日で戻るつもり」と軽傷を強調しているようだ。1軍定着は難しそうだが、まだ26歳と可能性を秘めるメンデス。今後につながる経験を積んで、さらなる成長を見せてほしい。(デイリースポーツ・山本航己)

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