【野球】阪神・桑原の好投に古巣の先輩が脅威抱く

 リーグ優勝への望みはまだあると信じている。首位・広島の背中は遠いが、虎にはリーグトップの防御率3・18を誇る鉄壁の投手陣がいる。中でも、チームトップタイの39試合に登板している桑原謙太朗投手(31)の存在は頼もしい限り。堪え忍び続け、接戦を取りこぼすことなく拾っていければ、12年ぶりのリーグ優勝も夢ではない(文中の成績は7月17日現在)。

 現在19試合連続無失点を続け、防御率0・70と抜群の安定感でチームを支える“和製リベラ”。確かな成長曲線を描く右腕を、古巣の大先輩も注目している。DeNA・吉見祐治打撃投手(39)は「あそこまで投げきれるのは本当にすごいよ」と躍進に目を細めた。

 吉見打撃投手は横浜時代の02年に11勝を挙げるなど、プロ通算44勝の本格派左腕。ロッテを経て、14年シーズンの1年間は猛虎戦士として奮闘し、同年オフに現役を引退した。桑原は、DeNA時代の08~10年の3年間を過ごした仲間。お笑い芸人・小島よしお似という後輩を「おっぱっぴー」と呼んでかわいがっていたという。

 「当時からポテンシャルはすごかった。真っすぐは150キロを超えるし、それがスライダー(真っスラ)するしね。でも、大事なところで使ってもらえない選手だった。制球がアバウトだったから」

 打者を圧倒できる力を持ちながら、四球で自滅してしまうことが多かった右腕。その後オリックス、14年オフに吉見氏と入れ替わる形で阪神に移籍。昨年は1軍戦登板0に終わるなど、苦しい日々が続いた。「阪神のニュースはよく見る」と話す吉見氏も、ずっと気になっていたそうだ。

 そんな中、プロ10年目で大変身を遂げた。オフに若虎と同じ“金本メソッド”を実行し、ウエートトレーニングによって下半身を強化。課題の制球力が安定し、威力抜群の持ち玉を自在に操れるようになった。先輩は「梅雨明けのこの時期が一番きついはず。でも、すごいよ」と桑原の活躍を絶賛する。そして、脅威に感じていた。

 「(打撃投手を務めていて)精神的に大変な部分はあるけど、体力的には現役時代の方が断然きついよね」

 3位・DeNAとのゲーム差は、わずか「2・5」。筒香の状態は上昇傾向にあり、ロペスや梶谷のバットも破壊力を増している。勝負の夏、チームのため必死に左腕を振り続ける吉見打撃投手。そんな古巣を相手に、全力投球で立ち向かう桑原。残り13試合となった直接対決は、ペナントの行方を占う重要な戦いとなるだろう。

(デイリースポーツ・中野雄太)

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