【野球】阪神・藤浪の制球が安定する条件

 阪神・藤浪晋太郎投手(23)が苦しんでいる。今季は1軍で3勝3敗、防御率・2・66ながら制球難を露呈し、現在は2軍で調整を行っている。2日のウエスタン・中日戦(ナゴヤ)では石垣に頭部死球を与え、危険球退場。結局、その試合は4回0/3で7安打7失点という結果に終わり、次回登板は延期となることが決まった。

 制球難の原因を藤浪は「メンタルどうこうより、フォーム的におかしくなったところを、自分で直せないことが第一」と技術面の力不足だと強調した。メンタルではなくメカニックの問題。それには久保2軍投手チーフコーチも「そうですね」と同意しつつ、「高校を卒業して、ずっと1軍でやってきたわけですから。ファームの若手が教わることを(藤浪は)教わっていない」とコメント。まだまだ未熟な部分があるとの見解を示した。

 同コーチは藤浪に対して、「すごく難しいことをやろうとしすぎている」と指摘した。「あの素材があるんだから、もっと簡単に投げていい。“マシン”のようにね」。今後は投球フォームの単純化を目指して、藤浪へ指導していく方針だ。

 その一方で、「強いボールを投げることに関しては、(藤浪の投球フォームは)理にかなっている」とも話した同2軍投手チーフコーチ。藤浪の「強いボール」を投げることにこだわる姿勢を、強く感じた試合がある。

 6月16日のウエスタン・オリックス戦(舞洲サブ)。先発した藤浪はこの日も制球難に苦しんでいた。5四死球2暴投。6回無失点ながら、大荒れの印象を受けた。

 ただ、ある条件下では制球が安定した。走者を背負った時だ。クイックモーションで投げた場合、四死球は0だった。試合後の囲み取材で質問をぶつけると、もちろん藤浪もその感覚を理解していた。その上で「(全球クイックで投げるのではなく)しっかりと足を上げて投げたいというのがあるので」と考えを口にしていた。

 野手に置き換えれば、優れたパワーを持ちながら、さらに遠くへ飛ばそうとフルスイングの姿勢を崩さない打者のようなものだろうか。確かに、小さくまとまった藤浪は見たくない。指にかかった直球の威力は桁が違うし、それがズドンと決まった時の爽快感は半端じゃない。

 シーズン後半戦は間違いなく藤浪の力が必要となってくる。輝きを取り戻すために、背番号19がもがき続ける。(デイリースポーツ・山本航己)

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