【野球】ユーティリティーの意味 総合力アップを図る各チーム

 ユーティリティープレーヤーの存在が不可欠だ。今春のキャンプでは、阪神が捕手の原口に一塁、外野手の板山に二塁、三塁を守らせるなど、多くのチームが複数のポジションを守らせて野手陣の底上げを図っている。

 例えば、オリックスでは、伊藤光捕手(27)は宮崎キャンプで三塁の守備に挑んでいる。正捕手争いは21歳の若月の台頭でし烈を極めているが、内野挑戦は非凡な打撃を生かすためのプランのひとつ。捕手として2014年の日米野球などで侍ジャパンに名を連ねたこともある伊藤にしてみれば当然、全試合マスクを被るのが理想に違いないが、チームにとってもメリットが大きいうえ、本人にとっても決してデメリットばかりではない。

 パ・リーグのある指導者は、複数ポジション制を敷く意味について、「使う方からしてみれば、複数守れるということはいろんなことができるわけだから、そういう選手がいてくれたら楽」と話す。選手の出場機会は増えるうえ、駒が少なくなる終盤の1点差の展開などでは、ベンチの采配の選択肢も広がる。

 また、「きっちりレギュラーが決まっているチームは、代打要員、代走要員、守備要員と役割も決めやすいが、そういうチームばかりではない。少しでもチーム力を上げるためにも、複数守れるのはプラスになる」。総合力をアップさせるための貴重な策のひとつになる。

 定位置をつかんでスタメン出場し、フルイニング出続けることが正攻法ではあるが、万能プレーヤーの存在も、勝利のための価値ある存在だ。(デイリースポーツ)

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