ヤクルト山田“前人未踏W達成”に期待

 達成できれば史上初の快挙だ。日本人右打者の年間安打記録を更新する193安打を放つなど今季大ブレークしたヤクルトの山田哲人内野手(22)が10日に5800万増の8000万円で契約を更改。その会見の場で掲げた目標のスケールの大きさに驚いた。

 「目標はいっぱいあります。200安打もしたいし、3割30本30盗塁もしたい」と力強く宣言。自身が惜しくも届かなかった200安打に加えて、3割30本30盗塁のいわゆるトリプルスリーまで目標に掲げた。

 シーズン200安打の達成者はイチロー、青木宣親、ラミレス、マートン、西岡の5人。トリプルスリーは岩本義行、別当薫、中西太、簑田浩二、秋山幸二、野村謙二郎、金本知憲、松井稼頭央の8人だけ。そして、2つを同時に達成した者はいない。それほどまでに大きな目標だ。

 ちなみに、ダブル達成に最も近づいたのは02年の松井稼頭央。打率・332、36本塁打、33盗塁でトリプルスリーを達成したが、安打は今季の山田と同じ193で、惜しくも200安打に届かなかった。

 それでは、山田はダブル達成できるだろうか。200安打の可能性は高いと見る。今季は初めて規定打席に到達するフル稼働を続けた疲労があったのか、9月に月間打率・240の不調に陥った影響が大きかった。来季は今季の経験を生かして安定稼働を続けることができれば200安打に手が届くだろう。

 トリプルスリーはどうか。今季の成績は打率・324、29本塁打、15盗塁。200安打ができれば打率3割、30本塁打はついてきそうだ。30盗塁が難しく見えるが、企画数が少ないだけで、成功率は・750と悪くはない。両リーグトップの43盗塁を記録した西川遥輝(日本ハム)の・796と遜色ない数字だ。

 トリプルスリーを目標とするなら企画数も増えるに違いない。能力的に30盗塁は可能だろう。ならば、200安打とトリプルスリーのダブル達成も可能と言える。

 今季限りで辞任したヤクルトの小川淳司前監督は、シーズン中に「山田にはワクワク感がある」という言葉を何度も口にしていた。何かやってくれそうな期待を抱かせる平成生まれの若武者が、来季は前人未踏の頂に立つかもしれない。

(デイリースポーツ・洪 経人)

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