村上茉愛 盟友・寺本へ届けた銅「明日香が喜ぶような演技ができた」
「東京五輪・体操女子種目別床運動・決勝」(2日、有明体操競技場)
エースの村上茉愛(日体ク)が、悲願の銅メダルを獲得した。演技を終えて14・166の高得点で3位タイにつけた。続けて演技した2人が、村上の得点を下回り、銅メダルが確定。その瞬間、笑顔が弾けた。体操女子のメダルは1964年東京五輪団体総合の銅メダル以来57年ぶり、個人種目としては初の快挙となった。
「最後1分半頑張れば終わりだと思えば怖くないので。自分で着地を狙いにいった3番だったこれ以上ないできの3番だった。自分で受け止めて満足したいなと思いました」
女子のエース、東京五輪のメダル候補として重圧を背負い続けてきた一方で、度重なる故障に泣いてきた。19年は腰を痛め、五輪団体出場枠を盟友の寺本明日香(ミキハウス)らに託す形になった。
その寺本は昨年2月に左アキレス腱断裂。五輪代表選考会を兼ねた5月のNHK杯で奇跡の五輪切符を目指したが、3大会連続代表入りはならなかった。盟友の思いも背負っての大舞台だった。
「試合に来る前に(寺本に)電話して、気合を入れるような言葉じゃないんですけど普通の会話をして『頑張ってくるね』といって。試合前にも茉愛がいい演技ができたら私もうれしいからと言ってくれて。明日香が喜ぶような演技ができたんじゃないかと思います」と笑顔で話した。