会場騒然 男子マススタートは衝撃大逃げ波乱決着 40歳オランダ・ベルフスマが歴史的逃走劇で金メダル「衝撃的。私がやったんだ!」最後は観客煽り投げキッスで余裕のゴール 日本勢もあ然 佐々木「五輪で逃げが成立するとは」
「ミラノ・コルティナ五輪・スピードスケート男子マススタート・決勝」(21日、ミラノ・スピードスケート競技場)
ヨリト・ベルフスマ(40)=オランダ=が衝撃の大逃げに成功し、金メダルを獲得した。ゴール前には完全な力を抜いて、ファンの歓声を浴び、投げキッスをしながらゴールした。会場は騒然となった。日本の佐々木翔夢(20)=明大=は10位、蟻戸一永(23)=ウェルネット=は13位で入賞はならなかった。
驚きの逃走劇だった。ベルフスマはデンマークのビクトハル・トープとともに3周目から一気に前に飛びだした。今大会金メダル2つ、銀メダル1つと大活躍のジョーダン・ストルツ(米国)ら3番手以下の後方集団がけん制しあってなかなかペースが上がらない中、ジワジワと差を広げて、途中からは残り2周からは一人旅に。勝ちを確信した最終コーナーでは観客を煽り始め、最後はスピードを緩めながらガッツポーズを繰り返す余裕も。会場は大興奮に包まれた。
レース後はベルフスマは「クレイジーで衝撃的だった。誰もがストルツや、ジョヴァンニーニを予想していたと思う。厳しいものになると思っていたが、誰も最初のアタックをしようとしなかった。私がやったんだ」としてやったり。逃げを決めた瞬間を「今が大きなチャンスだ、と悟った。とにかく集団との差を広げて冷静さを保って、最後まで走りきるしかなかった」と振り返った。ヘルメット番号の13についてラッキーナンバーであることを明かし「ラッキーナンバーなんだ。オランダではマラソンに13番で出場している。1週間前の13日の金曜日に銅メダルを取ったし、今日も13をつけて優勝した。魔法の数字だよ」と、笑った。
ベルフスマとともに逃げたトープが銀メダルに輝いた。
入賞を逃した日本勢もあ然。蟻戸は「ちょっと逃げ切られた展開。最初後ろにいて、(2人が)逃げる瞬間を分かっていた。後ろについていけなかったのが大きかった。マススタートは展開をしっかり読めた人が勝てる。力がない分、あそこで追うか迷った。覚悟の違い。自分のなかった部分だった」と悔やんだ。佐々木も「メダル目指せる自信あっただけに、とれなかったのは悔しい。2人逃げたとは思ったが、五輪は逃げが成立するとは思ってなかった。誰かしら追うと思ってしまった。読みが甘かった逃げが成立させてしまったのが敗因。第2集団でも前にいないと銅メダルはなかった。実力不足」と、振り返った。
