ノルディック複合団体が銅メダル 28年ぶり表彰台“お家芸”復活へ3強牙城崩した
「北京五輪・ノルディックスキー複合・団体」(17日、国家スキージャンプセンター、国家クロスカントリースキーセンター)
男子団体で日本が銅メダルを獲得した。この種目では1992年アルベールビル五輪、94年リレハンメル五輪と連覇して以来28年ぶり3度目の表彰台。個人ラージヒル銅メダルの渡部暁斗(33)、弟の善斗(30)=以上北野建設、山本涼太(24)=長野日野自動車、永井秀昭(38)=岐阜日野自動車=で臨み、前半飛躍4位から課題だった後半距離で順位を上げた。渡部暁の通算メダル4個は日本複合勢で河野孝典の3個を上回り、冬季五輪での日本男子単独最多となる。
28年間止まっていた時計を動かした。日本が、2連覇した94年リレハンメル五輪以来となるメダルを獲得。歴史の新たな1ページをつくった4人は、手を取り合って喜びをかみしめた。個人で3大会連続メダルのエース渡部暁にとっても、4人で表彰台に上がるのは初めて。「団体はチームみんなで喜べて、個人で取るよりも何倍もうれしさがある」と感慨にふけった。
総合力でつかみ取った。前半は山本が135メートル、渡部善が133メートルなど好ジャンプをまとめて4位。トップと12秒差の好位置でスタートした距離ではノルウェー、オーストリア、ドイツの3強と四つ巴となった。アンカー抜てきの最年少・山本は、3チームでの2位争いに。最終盤ドイツのスパートに食らいつき、3位を死守してガッツポーズした。
「表彰台に先輩方を上げたいという思いがあった。気持ちが先走っていった」(山本)
荻原健司、河野孝典らレジェンドらが頂点に君臨し隆盛を誇った日本複合。28年の時を経て後輩たちが新たな歴史を記した。渡部暁は「長い時間がかかってしまったが、この瞬間を共有できてうれしいし、この後に続いていく日本チームの未来に対しても、いいメダルだったなと」と万感。“お家芸”復活へ、大きな足がかりをつくった。