羽生は最後まで気高く 次滑走者に拍手、ファンに8秒間のお辞儀、氷に「ありがとう」
誇り高き挑戦が幕を閉じた。前人未到の4回転半ジャンプと、94年ぶりの3連覇に挑んだ3度目の夢舞台。ともに叶えることはできなかった。それでも、羽生結弦として、その振る舞いは最後まで気高かった。
戦国時代、“軍神”と称された上杉謙信の戦いを描くフリー「天と地と」。4分間、魂の演技を氷に刻み込んだ後、刀を鞘へとおさめるような所作で締めくくった。力強く滑り出し、胸を張って、リンクの外へ。「ポーズを終えて刀をしまうまで、リンクをはけるまでが自分のプログラムのストーリーだったかな」。最後に氷を触り、自らの顔へ。火照った顔を心地良い冷たさが伝う。そして、心の中でつぶやいた。「ありがとう」と-。
キス&クライで得点を見届けると納得したようにうなずき、テレビ画面にむけて8秒間お辞儀をし、感謝を伝えた。国際映像の画面が切り替わった後も、しばらく立ち上がらず、次の滑走者に拍手を送り、夢の銀盤を後にした。
悔しさは募る。こみ上げるものを何度もこらえながら、言葉を繋いだ取材エリア。それでも、胸を張っていった。「自分のプライドを詰め込んだ五輪だったと思います」-。
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