藤沢も吉田知も驚いた奇跡の同点劇 呆然でスイープに動けず、仲間もコーチもご立腹

 延長の末韓国に敗れ、スタンドの歓声に応えながら引き揚げる(左から)吉田知、鈴木、藤沢、吉田夕=江陵(共同)
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 「平昌五輪・カーリング女子・準決勝、日本7-8韓国」(23日、江陵カーリングセンター)

 1次リーグを5勝4敗の4位で突破したLS北見の日本は準決勝で延長の末、地元・韓国に7-8で敗れた。前半から劣勢を強いられた日本は最終エンドで追いつく驚異的な粘りを見せたが、延長で力尽きた。日本勢初となるメダルをかけて24日の3位決定戦で英国と対戦する。

 選手たちも信じ切れていなかった奇跡だった。6-7で迎えた第10エンドは、不利な先攻。絶体絶命。しかし、チームが繋いだ形を藤沢がしっかり整え、しっかりとガードを固め、中央に日本の石を置いたまま、あとは天命に託した。

 韓国の“メガネ先輩”ことスキップの金ウンジョンのラストショットが、日本のナンバー1を薄く弾くにとどまる。韓国の石も外へと向かった。ただ、藤沢も吉田知も負けを確信してスイープに動けない。

 「もう決まったと思って、私も知那美も呆然として動けなかった。スイープが遅れたけど、思った以上に動いてくれた」と、藤沢。韓国の石がわずかに外へ。まさかの同点に、地元ファンの悲鳴とため息が響く。リードの吉田夕が呆然としていた2人に言った。「集中して!」。コーチ席ではリンド・ジェームズコーチも激怒していた。様々な感情が交錯したドタバタの同点劇。少し間を置いて、みんなで笑い合った。

 最後は延長の第11エンドに韓国・金ウンジョンが意地で中央へ寄せきって、試合は決着。藤沢は「悔しいですね。もう言葉にするなら、その一言。最後の韓国は相当なプレッシャーが懸かる中でのショット。拍手です」と、涙。日本カーリング界初のメダルは、24日に持ち越された。

 泣いて笑っても、24日の3位決定戦が、今大会最後の試合。チーム創設者の本橋は、準決勝終了後、仲間たちに声を掛けた。「明日戦えるのは4強に残ったチームだけ。見ているだけの悔しいチームもいる。ステイ・ポジティブ!」。流行語にもなりそうな“そだねー(そうだね)”の声に象徴されるポジティブ集団。今大会の終盤を盛り上げる明るく楽しいカーリング娘が、気持ちを切りかえて、メダルに挑む。

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