【採点比較】際立った羽生の総合力、チェンの伸び代 4回転に美で対抗

 男子フリーの演技を終え、雄たけびを上げる羽生結弦=江陵(共同)
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 「平昌五輪・フィギュアスケート男子・FS」(17日、江陵アイスアリーナ)

 日本の羽生結弦(23)=ANA=がフリーで206・17点、合計317・85点を記録し、66年ぶりの五輪連覇を果たした。4回転トーループからの連続ジャンプでミスをした以外は美しい演技でまとめた羽生だが、フリーだけでは2位。フリーの1位はネーサン・チェン(18)=米国=が215・08点と羽生が持つ世界最高点(223・20点)に迫る高得点をマークした。合計では297・35点の5位に終わったが、SP17位からの12人抜きで存在感を示した。

 最後から2番目の滑走でハビエル・フェルナンデスが2位に入りメダル圏外が決まったチェンに、羽生は立ち上がって握手を求めた。笑顔で何かを語りかけ、圧巻の演技を見せたライバルをねぎらっていた。

 チェンは8本のジャンプのうち冒頭から3本連続、スピンとステップを挟みまた3本連続で4回転ジャンプに挑んだ。減点があったのは3番目の4回転フリップのみで、手をついたものの回転は認められた。ジャンプすべてが10点以上を記録し、基礎点1・1倍の4回転トーループ-3回転トーループは17・63点、難易度の高い冒頭の4回転ルッツは15・17点と得点を稼いだ。

 羽生は、自身のレベルを考えればループやルッツのような難易度の高いジャンプを見送り、サルコー、トーループを2本ずつ、合計4本の4回転を組みこんだ。冒頭の4回転サルコー、続く4回転トーループは9人のジャッジのうち8人から最高の出来栄え点「3」を与えられた。

 これだけでは、目立ったミスのなかったチェンとはさらに大きな差がつくところだが、羽生はスケート技術、要素のつなぎ、動き、構成、曲の解釈からなる「構成点」で96・62点を獲得。チェンは87・44点で9・18点差を縮めている。

 スピン3本の合計は羽生が1・51点、ステップシークエンスはチェンが0・27点勝った。コレオシークエンスは0・6点羽生が上とジャンプ以外の要素でも羽生が上を行った。

 右足首負傷で十分な調整期間が得られなかった羽生にとっては自身最高となる演技構成ではなかったかもしれない。だが、ジャンプ以外の要素、そして細かなスケート技術から表現力にいたるまでの羽生の総合力の高さ、そして、チェンの伸び代が際立った結果となった。

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