沙羅、光見えた!W杯女王ルンビに肉薄2番手「最後に勝ちきれるように」

 「平昌五輪・スキージャンプ女子」(12日、アルペンシア・ジャンプセンター)

 悲願の金メダルを目指すノルディックスキー、ジャンプ女子の高梨沙羅(21)=クラレ=が8日、本番会場(ヒルサイズ=HS109メートル)で現地入り後初の練習に臨み、今季W杯総合首位に立つマーレン・ルンビ(23)=ノルウェー=に肉薄するジャンプを見せ、復活気配を漂わせた。今季ここまでW杯未勝利、昨季の最終戦から11戦連続V逸とかつてない苦境に立たされていたが、2度目の夢舞台を前に、調子は急上昇。12日の決戦に向けて、まず好スタートを切った。

 小さな体で力強く踏み切り、最後にフワッと飛距離を伸ばしていく。4年ぶりに帰ってきた夢舞台。ようやく本来のジャンプを取り戻した高梨の姿が、そこにあった。

 「まだ自分のものにしきれてはないけど、少しずつこのジャンプ台に合わせられている感覚はある。今日はいいスタートが切れて安心した」。白い息を弾ませながら応える表情には、充実の笑みが浮かんだ。

 1回目は99メートルで飛型点抜きのポイントで全体の4番手だったが、2本目は105メートル、3回目は106メートルで、ルンビ(2、3回目とも105・5メートル)とほぼ同等の距離を飛び2番手につけた。今季ここまで助走や踏み切りに苦しみ、W杯10戦未勝利、昨季最終戦から11戦連続V逸の屈辱を味わった。「自分のふがいなさに悔しさがこみ上げることもあった」。ルンビに2本合計の飛距離換算で約22メートルの大差をつけられた試合もあったが、五輪に合わせるように、一気に調子を上げてきた。

 4年前のソチ五輪。直前までのW杯13戦10勝で臨み、“大本命”と見られながら、涙の4位に終わった。今回は追うものの強みがある。選手村の感想を聞かれると「ご飯がおいしいなって。辛いものが好きなのでキムチとか。あと白米があるのがとてもうれしい」と、ニッコリ。精神的な余裕も感じられる。

 12日の決戦まであと4日。「いよいよ五輪が始まったなという気持ち。緊張はあるけど、自分が目指してきたのは金メダル。最後に勝ちきれるように高めていきたい」。取り戻した自信とともに、つぶらな瞳に強い光が戻ってきた。

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