タカマツ大逆転金メダル!歴史変えた5連続ポイント 偉大な先輩ペアの背中追って…

 歓喜の高橋(下)と松友(上)
2枚

 「リオ五輪・バドミントン・女子ダブルス決勝」(18日、リオ中央体育館)

 女子ダブルス決勝で高橋礼華(26)、松友美佐紀(24)組=日本ユニシス=がリターユヒル、ペデルセン組(デンマーク)を2-1で下し、全種目を通じて日本勢初の金メダルを獲得した。1-1で迎えた第3ゲームを16-19から5連続得点でものにした。

 歓喜の瞬間は、ちょっぴりドタバタだった。相手の返球がネットに掛かる。跳び上がってしゃがみ込んだ前衛の松友が振り返ると、高橋は豪快に倒れ込んでいた。「見たら倒れてたし、コーチがすごい勢いできたので」と松友。苦楽を共にしてきた朴監督、中島コーチと先に喜びを分かち合い、そして、ようやく2人で抱き合った。

 「夢がかなった。先輩と組んでよかった」(松友)「ありがとう。お疲れさま」(高橋)

 コンビ結成から10年。「世界一」を自負する連係で、歴史の扉を開いた。最終ゲーム、16-19から5連続ポイントで大逆転勝ち。前衛の松友が繊細なネットプレーで相手を揺さぶり、後衛の高橋が破壊力あるスマッシュをたたき込んだ。松友は「メダルよりあの場面で自分たちのプレーができたのがうれしかった」と胸を張った。

 宮城の聖ウルスラ学院英智高時代、ともにシングルスのトッププレーヤーだった1学年違いの2人を、同校の田所光男バドミントン部総監督(65)が「期待してなかったけど」と組ませた。これが抜群の相性だった。「性格は逆でもバドミントンへの意識が一緒だった」と高橋。明るく勝ち気な高橋を、冷静で周囲に気配りできる松友が支える。好対照な2人は互いを認め合いながら、どんな相手にも負けない絆を紡ぎ上げていった。

 偉大な先輩ペアの背中を追って、たどり着いた場所だ。高校生の頃、当時、人気絶頂の小椋、潮田組に完敗し「いつかああなりたい」と憧れた。北京五輪で末綱、前田組が世界ランク1位の中国ペアを破るのを見て、五輪に行きたいと強く思った。落選したロンドン五輪では日本初の銀メダルを獲得した藤井、垣岩組の活躍に、本気で金メダルが欲しくなった。オグシオ、スエマエ、フジカキ…歴代の名ペアからつながれたバトンをタカマツが頂点へ導いた。

 表彰式、五輪のバドミントン競技で初めて君が代が響いた。試合後から涙が止まらない高橋が再び感極まると、それまで笑顔だった松友の瞳も潤んだ。「バドミントンで君が代を聞ける日が来るとは思ってなかったから」と松友。姉妹のような2人は、まったく同じタイミングで涙を拭い、笑い合った。

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