村田、メダル確定!勝利の雄たけび

 「ロンドン五輪・ボクシング男子ミドル級・準々決勝」(6日、エクセル)

 『関西魂』で金メダル競演や!6日、男子ミドル級準々決勝で、村田諒太(26)=東洋大職=がアデム・キリッチ(トルコ)に17‐13で判定勝ち。3位決定戦がないため、前日、日本に44年ぶりメダルをもたらしたバンタム級の清水聡(26)=自衛隊=とともに史上初となる日本勢の1大会複数メダル獲得を決めた。村田は「次は『48年ぶり』を狙う」と1964年東京五輪の故桜井孝雄さん以来となる金メダル獲得を宣言。清水も「金メダルを手に金本選手にお会いしたい」とダブル栄冠を誓った。

 メダル獲得を告げる試合終了のゴングとともに、村田は両手を突き上げ、雄たけびをあげた。戦略通りの逆転勝利。ただ、複雑な心境だった。68年メキシコ五輪の故森岡栄治さん以来となるメダルとはいえ、厳密に言えば、前日の清水に一足先にさらわれていた。

 村田は「44年ぶりじゃないでしょう。昨日、清水が取ったから『1日ぶり』になってしまった」と機転の利いたコメント。「ここは僕のゴールじゃない。48年ぶりの金メダルを狙うだけ」と、頂点を見据えた。

 最終回の逆転劇だった。2回を終えて7‐8とリードされ、エンジンがかかった。村田は右フックからのコンビネーションで強烈なボディーを浴びせた。動けなくなった相手はクリンチで逃げてブーイングを浴びた。村田が有効打で10ポイントを獲得し、17‐13で快勝した。

 南京都高では高校5冠の逸材。東洋大時代に北京五輪出場を逃し、2008年に引退した。大学職員となったが、09年11月に復帰。同年5月、長男・晴道(はるみち)君の誕生が契機となった。「晴天みたいにおおらかに、人としての道を外すなよという思いで名づけた」。その愛息に、ボクサーである父の姿を見せたかった。「金髪の一匹狼」だった中学1年から拳を磨き、昨年10月の世界選手権で日本人初の銀メダルを獲得。五輪の優勝候補に躍り出た。

 今大会では同い年の清水の存在が刺激になっている。「あいつと選手村で同室なんですけど、今日も『負けろ!』って送り出されましたからね。まあ、それだけ仲がいいってことですわ。僕も負けられない」。ロンドンで晴道君の画像を見て「幸せな気分」にも浸る。

 10日が準決勝、11日が決勝。「決勝は英国人のアンソニー(オゴゴ)君が出て来るかも。そうなれば僕はヒール(悪役)。地元で相手をやっつける。最高の舞台です」と武者震い。「偉大な人」とリスペクトし、今年1月に逝去した故桜井さんに同じ色のメダルを捧げる。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

五輪最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    デイリーおすすめアイテム

    注目トピックス