鶴見、本番で実力発揮「満足」7位

 「ロンドン五輪・体操女子種目別段違い平行棒・決勝」(6日、ノースグリニッジ・アリーナ)

 6日、8人で争う男女の種目別決勝を行い、女子の段違い平行棒で、09年世界選手権2位の鶴見虹子(19)=日体大=は14・966点で7位だった。個人総合銅メダルのムスタフィナ(ロシア)が16・133点で金メダル。男子のつり輪は15・900点でナバレッテ・ザネッティが、体操のブラジル勢では初のメダルとなる金メダルを獲得した。跳馬では梁鶴善が16・533点を出し、韓国勢初の金メダルに輝いた。

 ほぼ完璧な演技だった。日本女子でただ一人種目別決勝に進んだ鶴見は、強豪が集う段違い平行棒の戦いで、実力を出し切った。「順位より完璧な演技」と集中を高め、個人総合女王のダグラス(米国)を抑えて7位。「自分の演技ができて満足」と笑みがこぼれた。

 この会場で行われた3年前の世界選手権で個人総合3位、段違い平行棒2位と脚光を浴びたが、そこからは苦悩の連続だった。右肩痛や左手甲の亀裂骨折。田中理恵(日体大研究員)にエースの座を奪われ、周囲の注目も田中に移った。転機は朝日生命クの退部と日体大への入学。「友達ができてうれしい」と大学生活を満喫し、体操を楽しむ心を取り戻した。

 昨年退部した朝日生命の塚原千恵子監督とは、事実上のけんか別れ。「鶴見はもうエースじゃない」と突き放す同監督が指揮を執る代表チームに入り、肩身の狭い思いもした。「いろいろあったけど、大学に入って良かった。来年も世界選手権があるので種目別決勝に残ってメダルに絡めるレベルまで上げたい」。19歳の新入生には、新たな旅立ちの1年となった。

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