大阪偕星学園出身・前原太尊康輝KO星

 「デイリー後援・ボクシング8回戦」(2日、大阪府立体育会館第2競技場)

 メーンの74・5キロ契約ノンタイトル8回戦を務めた東洋太平洋ミドル級1位、日本同級7位の前原太尊康輝(22)=六島=はクンサックイーブ・オーブンチャイ(タイ)を2回2分59秒KOで下し、7戦連続KO勝利を飾った。

 1回は「硬かった」と慎重に右ジャブを突き様子を見た。体のほぐれた2回は自慢の破壊力を発揮。重い左右の連打をボディーに効かすと、左フックでぐらつかせた。最後はロープに詰め、ハンマーのような左ストレートをアゴにぶち込んだ。相手はロープから半身が飛び出したまま失神KO。前原が「大丈夫か!?」と声をかけると、ようやく起き上がった。

 「左はいつも磨いている。自分がいつもイメージしている内容で終われて良かった。フィニッシュはいい感じがした。アゴが返るのが見えた」と試合後は自画自賛した。

 戦績を11戦9勝(9KO)1敗1分けに伸ばし、初タイトル挑戦の前哨戦を見事に突破。「会長、いつでもスタンバイOKです。必ずベルトを奪取します」と、宣言した。

 枝川孝会長も「分かっていても、倒す左があるのは武器」と満点評価。11月の東洋太平洋王座挑戦に向け、交渉を進める考えだ。

 「無事故で終われて良かった。これで、すぐに練習を再開できる。チャンスは何度もやってくるものではない。本気のどつき合いだし、長いことすることじゃない。1戦1戦が命がけ。タイトルが決まれば必ず獲る。仮に獲ったとしても、それは(世界的に層の厚い)僕らの階級ではスタートライン。獲ってようやく世界の強豪とやる資格が与えられる」と、前だけを向いた。

 190センチの長身でミドル級のホープは、同級のスターでロンドン五輪金メダリストの村田諒太(帝拳)の背中を追う。「僕レベルだって試合前は眠れないのに、村田さんはあれだけのプレッシャーの中で勝つ。それがすごい」と尊敬する。

 「村田さんはめっちゃ応援している。チャンピオンになってもらって、僕が挑めばアジア人同士でミドル級初の世界戦になる。村田さんに早く追いつけるように」と野心をむき出しにした。

 元高校球児で、今夏、初の大阪代表になった大阪偕星学園のOB。左投手として将来を期待されながら、入学直後に左肘を痛め1年で退部。その後、腕っ節の強さからケンカを繰り返し2年で退学。鑑別所、少年院と道を踏み外したが、ボクシングで更生した。

 「人のことを応援している場合じゃない」と甲子園観戦は控えるものの「野球部ともども勝ったらいいね。ベルトを獲れば、学校に持って行く」と、後輩とともに“頂点”を狙う。

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