加納陸「海斗の強さも証明できた」
「ボクシング6回戦」(7日、三田市総合文化センター)
慢性骨髄性白血病で2月24日に死去した17歳のプロボクサー・服部海斗さんの追悼興行が7日、所属した大成ジムの地元、兵庫県三田市で行われた。メーンのミニマム級6回戦は国内デビュー戦の加納陸(17)=大成。インドネシア国内8位のマリホット・フタジュルを3回1分30秒KOで下し、天国の親友に勝利を捧げた。
昨年12月、17歳23日でWBAアジアミニマム級王座を獲得。16歳時にともに海外でプロデビューした海斗さんとは夢の世界王者へ切磋琢磨してきた。
リングには海斗さんの遺影とともに入場し「行って来るで」と語りかけた。1回から左右の連打でロープに追い詰め、格の違いを見せ付けた。「KOは狙ってなかった」と言うが、3回、好機に闘争心をあらわ。コーナーに詰めると、左の強打を3連発し、相手をリングにぶっ倒した。
「海斗にもいい報告できるように国内デビューをしっかり勝つのが目標だった。海斗も一緒に戦った。自分が勝つことで海斗の強さも証明できた」と天国の親友に胸を張った。
海外で7戦経験があるものの、「やっぱり日本はいいですね。応援してくれる人が会場にいるので気合が入る」とホームの心地よさを実感。後援者からのファイトマネー500万円もゲットし「服を買いたい」と笑顔を見せた。
目指すは井岡弘樹氏の持つ国内最年少18歳9カ月での世界王座奪取。記録更新には来年8月がリミット。丸元大成会長は年内に世界ランカーを相手にし、来年早々にも日本か東洋太平洋王座の獲得を視野に入れる。
「上を見すぎたら足元をすくわれるので。次の試合、勝つための練習をして一歩一歩。勝っていけば世界が見える」と加納は自らに言い聞かせた。