緊急出場のイチロー、今季初マルチも…

試合前練習の合間に敵地ファンにサインをするイチロー=フィラデルフィア・シチズンズバンク・パーク(撮影・小林信行)
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 「フィリーズ7‐3マーリンズ」(21日、フィラデルフィア)

 マーリンズのイチロー外野手(41)は「6番・左翼」で出場し、4打数2安打1得点。3戦ぶり、今季5度目のスタメン出場で初めてマルチ安打を記録し、打率を・259(27打数7安打)とした。

 どんな状況にも備えているはずのイチローもこの日ばかりはさすがに驚いた。試合前練習が終わったのはプレーボール50分前の午後6時15分。この時点でイチローはベンチスタートが決まっていたが、23歳の正左翼手のイエリチが練習後に腰の張りを訴えたため、「6番・左翼」で緊急発進を命じられた。

 「(午後)6時半ぐらいでしたね。今日はさすがに気持ちの準備はできてない状況だったけど、それでも体ができてるからなんとかなる。(プレーボール直後の)1番で行け、って言われたらちょっとつらいかもしれない。今日はある程度時間があったんで」。

 二回の第1打席こそ左飛に倒れたが、1点を追う五回は先頭で左前打。過去の対戦打率・125(16打数2安打)と苦にしていた右腕、J・ウィリアムズの外角球を鮮やかに流し打つと後続の連打で同点のホームを踏み、一旦は逆転となる攻撃をお膳立てした。六回にも同投手の外角球を左前へ運び、今季14試合目で初となる複数安打をマークした。

 しかし、味方投手陣が中盤に崩れて1点のリードを守り切れずに5連敗。18日の試合前のクラブハウスでは選手だけのミーティングも行ったが、この日もトンネルから脱出することはできなかった。

 今月14、15日の試合も背中の張りで欠場しているイエリチの今後の起用については不透明。緊急発進でも結果を出すイチローの存在はチームにとって心強いに違いない。

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