「マーリンズ５－８レイズ」（１２日、マイアミ）

　マーリンズのイチロー外野手（４１）は「５番・中堅」で今季初めて先発出場し、３打数１安打１打点。四回の打席で一時は同点となる犠飛を放ち、今季初打点をマークした。

　二回の第１打席は、初顔合わせの右腕、カーンズに対し、１ボールからの２球目、高めの速球を打って出て左飛。０－１の四回１死一、三塁の場面はカウント２－２から内角低め、１５０キロの直球を左犠飛（打点１）。六回２死からの第３打席はカウント１－２から低く沈んだ１３０キロのナックルカーブに空振り三振。３点を追う八回２死二塁の場面は中継ぎ右腕のイェイツにカウント０－２と追い込まれながら外角、１４８キロ直球を流し打って左前打。三遊間を破る一打で好機を広げたが、後続が倒れた。

　開幕から６試合目での初スタメン。イチローが知らされたのは試合開始３時間前にフィールドで行われたストレッチの時だった。

　理由は、先発出場する予定だった正中堅手、オズナの遅刻。全体練習がないものと勘違いした２４歳にレドモンド監督は「チームは勝利を目指して戦っている。彼にはその準備をするためにここにいることを他のチームメートに示す義務がある。イチローはプレーする準備ができている」とスタメン変更の理由を説明した。

　過去５試合はすべて代打で途中出場してきたイチロー。この日は突然の出番となったが「僕はいつでも問題ない。どうということはないです。いろんなことがあることは経験済みですから想定内ですよ」と、起用法が安定しなかったヤンキースでの２年半の大きさを口にした。

　試合では四回に一時は同点となる犠飛。さらに八回２死二塁の場面では今季２安打目となる左前打を放ち、好機を広げたが、チームは完敗した。

　今季初のフル出場。試合後の心身の状態を問われたイチローは「どうということはない」と淡々。ただし、初めて就いた守備では気になる点が１つあった。

　「ライト（照明）の位置がけっこう嫌な位置にある。それは（守備の）邪魔をする。（目に）入りやすい位置にある」

　この日の守備機会は９回。照明が影響したプレーとして、左中間へのライナー性の打球に果敢に頭から飛び込みながらグラブの土手に当てた八回のダイビングキャッチを挙げた。

　本拠地の開幕６試合は１勝５敗。この日の試合で先発出場した控え捕手のマシスと、控え内野手のケリーがともに右手薬指を骨折して途中交代した。立ち込めた暗雲。一日も早く悪い流れを断ち切りたい。